彩雲国物語~人物考察・李絳攸~ - 彩雲国物語の感想

理解が深まる小説レビューサイト

小説レビュー数 3,368件

彩雲国物語

5.005.00
文章力
4.00
ストーリー
4.50
キャラクター
5.00
設定
4.50
演出
4.50
感想数
1
読んだ人
3

彩雲国物語~人物考察・李絳攸~

5.05.0
文章力
4.0
ストーリー
4.5
キャラクター
5.0
設定
4.5
演出
4.5

目次

人物考察・李絳攸

大貴族の養子ではあるものの、作品内で唯一、実際の出自が不明の人物。作品の感じだとあまり誰もそこは気にしていない。なぜだろう。いや、たぶん作品が李絳攸を中心に回っていないからだが。今回は、この意外と縁の下の力持ちだが、エピソードの多くないこの人物の考察

果たして李絳攸は結婚したのか

彩雲国物語のシリーズのその後およびスピンオフ作品を収めた『骸骨を乞う」、それの角川文庫版に王・紫劉輝と紅秀麗の娘・重華を描いた最終章作品がのっていた。晩年を迎えた紫劉輝、ぽつりぽつりと消えていく側近たちect....を描いていたが、その中で、李絳攸の次男坊について言及されていた。つまり、最低でも二人子供がいるということだ。ここで考えたいのは、いつ、だれと結婚したかということだ。まず、いつということだが、重華は、15歳の時に、絳攸の息子たちを袖にしている。つまり、重華より年上である可能性が高い。ということは16~25歳ぐらいだろう。ちなみに次男坊も袖にされていて、その次男坊は、国試(科挙)を受けて受かっている。最年少記録は更新されていない模様なので、17~20ぐらいが妥当。ここでは、わかりやすいので次男坊は20歳としておこう。次男坊が20歳であれば、つまり、少なくとも20年前には子供ができていなければならない。この最終章では、李絳攸は51歳。マイナス20で31歳。シリーズ自体は絳攸が26歳の時に終わっているからおそらく、27歳から30歳の間に結婚したのではないかと考える。結婚しなかった、息子たちは養子という考え方もあるが、実のところ、私は、それはないと思う。理由は、紅家にある。彩雲国の貴族はわりと血統主義である。そして、絳攸は、元紅家当主の養子。しかも血縁上紅家とは縁もゆかりもない(はず)。つまり、紅家は継げない。しかし、紅家の嫡流には問題があった。物語の中では当主の後継となれるのは、紅家三兄弟三男の息子しかいなかった。あとに生まれた黎深の子どもが男の子だったらまた話も変わってくるが、とにかく血統が細いのだ。何かしら、残していかねばなるまい。しかも、いくら後半に無能レッテルが貼られていった絳攸とは言え、優秀な人材には違いなかっただろうから(国試状元)本家の秀麗以外の姫、世羅と結婚した線が強いと思う。ちなみに、私は、黎深の実子が息子で、最終的にはその子が紅家を継ぐと考えている。

絳攸の生みの親って誰だろう?

実際にシリーズの中で出てきた絳攸の黎深に拾われる前の過去は、ある農村の老夫婦に拾われたという話だけである。あとは、人身売買やら人身御供やらいろいろたらいまわしにされていたみたいだが。では、生みの親って誰だろう?

物語の中で、絳攸はイケメンとして描かれている。ちなみに、身分社会の中では、顔の形なども階級によって変わってくる。絳攸はそんな中で、「イケメン」だったのだ。上流階級の中でのイケメンなのである。美男美女は、その社会の中の顔の平均を指す(らしい)。つまり、上流階級の顔つきをしている可能性が高い。

ここからわかることは、絳攸自身の血統は結構いいのではないかということである。

私は彼が、劉輝の父である先王のつぶしていった、貴族の数々の生き残りではないかと考えている。もちろん、本人は、知らないし、確証はないが、動乱のころに赤子だった可能性が高い。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

関連するタグ

彩雲国物語を読んだ人はこんな小説も読んでいます

彩雲国物語が好きな人におすすめの小説

ページの先頭へ