性格分析と演奏分析 - のだめカンタービレの感想

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アニメレビュー数 2,474件

のだめカンタービレ

4.504.50
映像
4.13
ストーリー
5.00
キャラクター
5.00
声優
3.88
音楽
4.75
感想数
4
観た人
11

性格分析と演奏分析

4.54.5
映像
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
声優
4.5
音楽
5.0

目次

音楽とキャラクターのマッチ

キャラクターの描写とBGM、そして登場人物の演奏がみごとにマッチしている。チアキが演奏する曲はどれもどことなくチアキらしいというか、いろでいうところの「黒」に感じられる。演奏のテンポ、演奏方法、特にピアノの演奏では彼の演奏世界を作りだしている。ピアノの演奏家はピアノを弾きながら体を動かしたり、顔の表情を変えたりすることが多いがチアキにはそれがない。彼らしいまじめな演奏スタイルを貫いている。ただ彼を表現する場合、ただのまじめな人というよりも、温和でオンオフがしっかりとできている人と言ったほうが正しいだろう。彼はほんとうに器用で、作品でも分かるがフランス語もできて、専門ではないヴァイオリンも完璧に演奏することができる。ただ、そんな彼でも精神的に崩れやすいところも作品を通して理解できるところに見ている人は親近感を持つことができる。

ノダメについて言えば、彼女の演奏曲も彼女らしいといえるだろう。彼女の演奏方法はチアキとも対になるといってもいいぐらい異なっている。口は丸くし、体もおもいっきり動かし、リズミカルな演奏スタイルである。彼女の性格は変わっている。彼女のピアノの演奏も聴いていて分かるが、彼女の気分によってテンポ、引き方が異なっている。そのようなところは極めて彼女独特のピアノ演奏といってよいだろう。ピアニカを演奏していた曲であるラプディ・イン・ブルーも彼女らしいピアニカが出す高い音を使った演奏方法で観客を盛り上げていた。演奏方法も彼女独自で、お茶目な格好して出てくるところも性格が反映されている。

ミネに注目するとより演奏がおもしろく感じられる。彼の演奏はとても派手で目立ちたがりのところもキャラクターの性格と演奏方法が近い。しかしながら、彼の演奏とクラシックは合っているのかというと疑問である。クラシックはテンポがただ速く、明るさだけを表すものではない。作曲家によっても違うと思うが、どことなく暗い音と、ゆっくりとしたテンポで表現されている曲もたしかに存在する。この二つの理由からもミネとクラシックの印象が合っているとは考えにくい。

総じて、この世界の中での音楽とキャラクター、BGMを対比してみることでまた違うアニメとして見れるのではないかと思う。マスミを例に見ても分かるが、極めて独特の演奏は彼にマッチしていて、非常に興味深い。さらにBGMに注目するとさらにこの作品の深みを感じられると思う。温和なシーンや笑いがでてくるシーンはそれにあったバックの演奏、BGMがなされている。そこが他のアニメと比べてみてもBGMの演奏法が異なっていて、このアニメ独自の演奏方法となっている。その一つ一つのシーンと演奏がキャラクターの発言、性格、行動と見事にマッチしていることにちゅうもくしていただきたい。

取り上げているクラシック曲と演奏方法

このアニメで取り上げられているクラシックの曲はほんとうにジャンルがさまざまで、演奏スタイルが違うのでほんとうに見ていて感動できる。ドビュッシーの演奏ではピアノがほんとうにすばらしく見ているだけでなく、聴いているだけでも楽しませてくれる。最初のピアノを弾く瞬間から惹き込まれる演奏は生で聴いているかのように感じられ、ただアニメを見ているだけは味わえない感動を感じることができる。

ベートーヴェンの第一番はこのアニメの中でも演奏されているが、アニメの中での演奏は明るく、このアニメのテーマにふさわしい感じられる。テンポもちょうどよく、演奏も丁寧で心地よい。オーケストラが一致団結して演奏した曲は印象深く、このアニメといえば「この曲」と言いたくなるような温和な演奏であった。

クラシックの捉え方

クラシックというのは特性上、普通の人にはなじみの薄いものと思う。ピアノを習っている人ならば当然のように、バッハからモーツァルト、ベートーヴェンなどの曲を演奏をした人がほとんどだろう。これらの作曲家はピアノを演奏する上での基盤として教えられ、伝えられている。このアニメではピアノを演奏したことがない人でも聴いたことがある曲が並べられていて、誰でも聴けば楽しめるような曲の構成と物語の構成がなされている。

クラシックは私たちが聴く普通の歌詞がついた音楽とは異なっている。歌詞がついていなくて、ノリもいいわけではないのに何がそこまで人を惹き付けるのか疑問を持つ人が多いだろう。この問題にうまく解答することは私にはできないが、それは音の強弱とテンポ、演奏方法によって物語を表現しているのだと思う。一つ一つの音とリズム、弾き方で表現し、物語を語るように演奏がされているのだと私は考えている。そこにクラシック独自の長所と心をこめられる演奏が成り立っているのだろう。作曲家は一つ一つの曲に物語をリズム、音の強弱、テンポ、演奏方法で表し、演奏している人と聴いている人に伝えているのだろう。

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新しい音楽の物語。

千秋はピアノ科に通いながら、幼少期に出会った指揮者の影響で本当は指揮者になりたいと思っていた。しかし、幼少期に飛行機の胴体着陸を経験したトラウマから、千明は飛行機に乗れない。そのため、音楽の本場であるヨーロッパの留学ができずに、日本でくすぶっていた。ある日教授とケンカや彼女にもダメ出しされて酔い潰れてしまう。目覚めたのは素晴らしいピアノの音が聞こえる場所。しかし、目を開けると広がるゴミの山。ゴミの山の中で、軽やかにピアノを弾くのだめの姿があった。そんな出逢いをきっかけに、のだめと千明は大学に1年契約で講師にきたシュトレーゼマンとオーケストラを作る。そこには変人と呼ばれるものの、才能ある沢山のメンバーが集まった。仲間達との絆を深めながら、千明はヨーロッパ留学へ向けて準備を始める。のだめは保育士になりたかったものの、千明の影響から世界に目を向けるようになり、コンクールに出場するために猛特訓を...この感想を読む

4.04.0
  • まいぴんまいぴん
  • 73view
  • 602文字

のだめのキャラクター設定が抜群によい!

のだめカンタービレは、あまり漫画やアニメを見ない私にとって、数少ない好きなアニメのひとつです。何がいいかと言うと、やはり突拍子もないのだめのキャラクター設定がステキすぎるというところです。数日お風呂に入らず、ちあき先輩に、頭が臭いと言われ、何のてらいもなく、2日前に洗ったばっかりなのになぁ・・・なんて言っちゃうところ。キッチンに、ドグロを巻いた鍋が置かれていて、異臭を発していても、あれ、そうでしたか・・・と平気な様子。そんな規格外にズボラなのだめであっても、ピアノの表現力がすさまじいというところもあるでしょうが、ちあき先輩に愛されているという設定が、ズボラ女子からすると、心強いポイントであったりします。どんなに世間の枠から外れていようとも、世間は単なるただの世間なだけであって、自分は自分らしく、個性を発揮して生きていけばいいのだと力づけられちゃったりします。その他の登場人物で私が好きなの...この感想を読む

4.54.5
  • orangejuice2orangejuice2
  • 69view
  • 577文字

音楽好きな女の子必見です!!

アニメでもドラマでも見ましたがどちらも素敵なストーリーになっていてまだ続いて欲しい感じです。私は中学・高校と吹奏楽部で音楽に携わっていたので、オーケストラの音楽も大好きでのだめで流れる曲はほとんど聞いた事があったので演奏のシーンも魅力的で録画していると巻き戻して見たりしていました。音楽も素敵ですがもう一つの見どころはやはり恋愛です。のだめと真一の正反対の性格の2人の恋…しかし、真一にはのだめが絶対的に必要な人物で、矛盾してるけどそこがまた胸キュンキュンなところです。のだめは一見何も考えていないように見えますが、真一を好きな気持ちや音楽に対する姿勢について実は凄い葛藤していて、でもその気持ちが上手く真一に伝わらない事がほとんどで、少し切なくなるシーンもありました。でも、のだめが真一についていく為に奮闘している姿が本当に純粋で可愛いです。私も大好きな人を追いかけたくなりました。あと、黒木君が...この感想を読む

5.05.0
  • あきしのまるあきしのまる
  • 41view
  • 540文字

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