モノノ怪のあらすじ・作品解説
モノノ怪は、2007年にフジテレビ系ノイタミナ枠で放送された中村健治監督による和製ホラーアニメである。和風ベースの独特な世界観で、鮮やかな色づかいと和紙のテクスチャーによる斬新な映像美で美術やデザインの評価も高く、「日本が誇るアニメーション」と言われるほどの人気作品である。 この作品は、怪しげな風貌の薬売りの男が、「真(まこと)・理(ことわり)・形(かたち)」によりモノノケを斬ることができる退魔の剣を携え、さまざまなモノノと対峙していく物語である。主に江戸時代の日本(化け猫編だけ近代日本)をモチーフとした「座敷童」「海坊主」「のっぺらぼう」「鵺」「化け猫」も5つのオムニバス形式のエピソードで描かれている。 そのクオリティの高さと面白さで話題となり、DVDの売り上げはシリーズ累計14万枚(2008年10月時点)となり、この作品の元になった「怪~ayakashi~」も収録されたコンプリート版のBOXも発売されている。
モノノ怪の評価
モノノ怪の感想
人間の浅ましさ
モノノ怪は、全体的に紙芝居のようなゆったりした独特の流れから色彩豊かな色使い、そして、なんといってもキャラクターの個性がそれぞれにたち大好きなアニメの一つです。その中でも、個人的にトップを争うのが、この鵺。人間の己の欲望のためならどこまで動かされるのか。自分が死んでいることにも気付かないまでも取り憑かれる姿。人間の浅ましい姿をさまざまと見せつけられた作品でした。モノノ怪すべての作品にいえることだと思うのですが、見る人によって、見る角度によって解釈の仕方が変わるのではと思います。若干大人向けのような気もしますが、描写などから子どもにも十分伝わるのではないでしょうか。一度見てみる価値ありです。
独特な色合いと演出が魅力なアニメ
これは素晴らしい大好きな作品です。放送は深夜にやっていたので、どんなに疲れていてもこれだけは絶対起きて観ていたほどハマった作品です。当時、萌えアニメなどが多く出てきていた中での異色のアニメなので、特にはまってしまったのかもしれません。色合いと世界観が独特で昔の日本のような洗練された映像に引き込まれます。映像だけでも評価できる素晴らしい出来です。もちろん、内容もいい。妖怪という部類が大好きな私とぴったりです。その、人ではないものがこれまた上手く表現されているので、是非観てほしい。特に、このBOXはファンなら絶対欲しくなる使用になっています。観ているだけでニヤニヤしてしまいます。
浮世絵風で斬新な表現力
独特の世界観とシャフトならではの極彩色が特に目を引く作品。内容はかなり重めでホラーテイストですがその重さを明るく鮮やかな演出でカバー。人間の愚かさから生まれたモノノ怪達の「形」「真」「理」を暴いて行き、退魔の剣を使って裁きます。断片的に段々明かされてゆく真実、悲しみの過去。話も奥深く、はっきりとした表現はないのですが最後にちょっとしたカットが入り「そうだったのか…」と納得、毎回泣いてしまいます。アニメは最後の大詰めバトルシーン以外は殆ど静止画のようにあまり動きがないのですが、背景がくるくる動き雨や雪一つ一つの表現がすごく綺麗で長い説明のようなシーンでも飽きません。