幸せを掴んでは失いでもまた掴む。静かな意志を絶やさず秘めて。 - 幸せの教室の感想

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幸せを掴んでは失いでもまた掴む。静かな意志を絶やさず秘めて。

4.04.0
映像
3.0
脚本
3.5
キャスト
5.0
音楽
2.5
演出
3.0

目次

愚直笑うこと無かれ。

幸せの教室。いきなりの幸せぶっこみです。

この教室で主人公ラリーは恋や自身の表現、友を見つけるのですからまあ順当なタイトルではあるのですが。

でもこの教室はただの環境であり幸せの種はもともと彼の中に宿されていたものだと思うのです。

彼はリストラされた先でも誠実、実直に仕事をしていました。

誰が見ていなくても手を抜かず誇りを持って仕事をしています。

いつだってどんな境遇にいても自分の仕事を愛し頑張れる人です。

幸せはいつだって自分の中にある。そんな言葉を地味に具現化してくれてそうな人物なのですが

やはりそうもいかない所が現実。と、始まっているように思えます。

他人の悪口を言うでもなし、コツコツ努力を惜しまず、だからといって満更のお人好しでもなく交渉ごともそこそこできます。おう

なのに妻とは離婚、職場もリストラ。

そもそも奥様とはどうして離婚したんでしょうか?

ラリーのお人柄を考えるとラリーの浮気などではなさそうなので奥様がこうした安定に落ち着かない多少ハデ目の方で見限られたのかなあ、他に燃える恋愛を見つけてしまったのかなあと推測してしまいます。

愚直があだになったのかな。

とにかくThe誠実なラリーをもってしても納得いかないトラブル、これを不幸と呼んでいいのならそれらを回避することはできなかったのです。

幸せの種を宿しているということは幸せになるノウハウをすでに身に付けていると言いたいのですが必ずしも幸せって右肩上がりにやってくるものではないんですよね。

試練の連続、もう後が無いくらいのピンチの時にこの教室、この環境に巡り合ってやっと花開いたのですから。

じっと静かな意志を秘め鍛錬してやがて時がやってくるのを待つ。

六星占術にでてきそうなくだりです。

こんなに善き人であろうと努力をしているのに報われないと腐らず投げ出さず、

更なる逆境にも動じずスタイルを崩さず工夫を重ねる。

すごくないですか?

もう神様にも粘り勝ちみたいな。

でも本当に幸せをつかむ人ってこんなふうに最後の試練にも腐らず耐えた人にだけ訪れるような気がします。

ここを耐えたら何もかも上手く回りだすステージがあるんだ。きっとあるんだ。

だから善き人であるのをやめちゃいけない。

幸せの教室はもう鼻先まで来ているかもしれない。

愚直なくらいに信じて待った人が絶対勝ちなんだってあらためて思いました。

幸せを掴んでからもまた勝負

ラリーもそうですが登場人物の離婚率の高さに本当?ってびっくりしてしまいました。

本当にそんなにサクサクみなさん離婚なさっているのでしょうか?

男性陣は慰謝料でしょうか養育費でしょうか、首が回んないよみたいなことを言ってましたね。

実際ラリーも離婚した時に家を買い取っただか何だかで経済的に追い込まれるわけですが。

隣人が離婚しないのが一番さ。そしたらそんな窮地も生まれない。というような助言を高らかに吐きますがまあそうなんですがね。人の気持ちって複雑でそうはいかないんですよ。とラリーの代わりに言い訳したくなります。

ヒロインのテイノー教授もその口でまだ決断に至ってないあいだは無気力で不幸そうでしたね。

一度は愛し合ったはずなのにどうしてこうなるんでしょうか?

テイノー教授とその夫は同じ空間にいてもお互いを見てはいない。(夫は巨乳にばかり見ています。)

結婚すると気が緩んで愛するための努力をやめてしまうんでしょうか?

毎日仕事で疲れているのにパートナーにまで気を遣うんじゃ面倒でやってられないよというところでしょうか。確かにそうなんですが愛って一度実がなったからもう放っておいていいというものではないと思うんです。毎日少量でも水をやり手入れをしないと枯れてしまうものなんです。しかもお互いにです。

毎日1ミリずつ離れていって気がついたときにはもうお互いの心をどうやって行き来していたのか道を失ってしまうほど遠く離れてしまうもののような気がします。

テイノー夫婦ももうお互い原型が見えない状態まで来てましたね。

そんな二人の決定打が夫の巨乳好きシャウト。

これを貧乳の妻に言い放つとはもう地獄へ行け、です。

信頼関係も危うい相手に体のことを揶揄されるなんてもう絶対だめです。

毎日の水遣り=リップサービスの真逆ですよね。

結婚した誰もが一度は確かに掴んだ幸せ。

これを維持するためにも日々努力を怠ってはならない。

いかに相手を愛しているか毎日一つでいいから表現していけば回避できるかもと考えさせられました。

幸せを掴んでからもまた勝負。

ラリーさんテイノーさん油断しないでね。

やっぱり大人の恋がいい

ラリーさんの美徳の一つはまごうことなく愚直なまでの誠実さです。

あと一つ付け足したいのが(男性には反感を買うかもしれませんが)女子大生のタリアちゃんに一度も鼻の下を伸ばさなかったことです。

鼻の下を伸ばしてしまう男性のことを悪く言うのも申し訳ないので控えますが親子ほどの女性とのロマンスが全く見られなくて正直清々しかったです。

周囲はこの交友関係に多少ヤキモキするのですがタリアちゃんもいい子で無い無いと安心して見れました。

女子学生に目もくれず大人の恋をしてくれたラリーさん。

そして幸せを掴んでは失った二人がまた新たに掴めた僥倖にとてもうきうきするのです。

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