時を越え、空間を越え、男と女は何度も出会う - ライオンハートの感想

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ライオンハート

4.004.00
文章力
4.50
ストーリー
4.50
キャラクター
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設定
4.00
演出
4.00
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1
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時を越え、空間を越え、男と女は何度も出会う

4.04.0
文章力
4.5
ストーリー
4.5
キャラクター
4.0
設定
4.0
演出
4.0

5つの章は全て時代が違えども、エドワードとエリザベスがお互いを思い、出会い、失ってしまうお話です。 お話は章立てにはされていますが、前後する情報が次から次へと出てきたり、違う時代の断片が出てきたりして、油断できません。 そして、正直に読むと頭がこんがらがっちゃいますので、一度はサラリと読んでから、章毎に読み返すのがお勧めです。 お話は、いつもの恩田さんらしく最後まで読んで、やっと全ての話がカチッと一つの形をあらわすような精密な作りのお話です。 4章「天球のハーモニー」に出てくるエリザベス一世は、2005年に舞台『メアリーステュアート』を観劇した際に時代背景を勉強していたのでとても面白かった。 もし本当にエリザベス女王が「エリザベス」であったならば、それが故に無意識に「ヴァージン・クィーン」だったとしたら、彼女は孤独なのではなく「エドワード」と夢の中でも会えていたとしたら。 なんと寂しく幸福な事でしょう。 4章から話は凄い勢いで終幕へと向かっていきます。 果たして、このまま彼らに幸せは訪れないのか!とイライラしつつ読み進むと、 最後はハッピーエンドなのです。 とうとう彼らの長い旅路も終焉を迎える時が来るのです。 永きに渡り、幾重にも時代を超えて出会ってはお互いを庇い短い時間しか過ごせなかった二人は、とうとう夫婦という形で巡り合いお互いを分かり合える時がやってきます。 良かった。ハッピーエンドで。 このまま彼らが平行線のままかと思っていたので、とても安堵して本を閉じる事が出来ました。 ちょっと名前がこんがらがる(洋名に弱い)事が多く、時代考証などで頭がヒートアップ状態でしたが歴史好きな人はより面白いんじゃないですかね~? 章毎に内容に関わる絵画が扉絵として使用されています。 ミレやミュシャなどの絵は話を読み終えてから見るとまた一層「ああぁ~」と納得します。

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