NHK大河ファンタジー原作小説 - 闇の守り人の感想

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闇の守り人

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NHK大河ファンタジー原作小説

5.05.0
文章力
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ストーリー
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キャラクター
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設定
5.0
演出
5.0

2016年3月から放送が始まったドラマの原作小説です。

この作品は、上橋菜穂子さんの「守り人」シリーズの2作目の作品です。

上橋さんは、学者であると同時に作家です。児童文学に分類される作品ですが、大人でも十分に楽しめる心わくわくする作品です。はじめて、上橋菜穂子さんの作品を読まれる方は、ドキドキしながらファンタジーの世界にひきこまれることでしょう。

学者としての知識が作品に生かされている作品で、異世界ファンタジーにふさわしい世界観を表現されています。

通勤時に、全シリーズを読破しました。あっというまに読み終えます。

この作品は、女用心棒のバルサと養い親のジグロの二人に焦点が置かれています。

大人になったバルサが過去と向き合う、過去と向き合うからこそ、紡ぎ出される感情が伝わってきます。

人は過去と向き合うことによって、はじめて、未来への一歩と過去との決別をつけるのではないかと考えさせられる表現が随所にでてきます。

バルサが心の奥底にひそめた養い親ジグロへの気持ち、養い親ジグロの気持ち、それぞれが交錯して、はじめて、この作品は意味をもつ。本文読了後も、巻末の書評を読んだときも、同じ気持ちになりました。

過去と向き合うことの大切さを教えられた作品です。

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祖先がいるから自分がいることを実感

守り人シリーズの中でも、大人の評価が高いと言われている作品ですが、それも納得です。主人公、バルサが自分の過去と向き合いつつ、精霊との関わりを断絶するような利己的な計画を阻止する物語で、バルサの生い立ちや抱えている闇・哀しみが明らかになっていきます。そして、同じ闇と哀しみを抱えたまま死んだ育ての親、ジグロと、不思議な儀式の中で再開し、互いの思いをぶつけることになるのです。それは、過酷な運命の中で育まれた絆の再確認であり、大切な人を思う気持ちこそが貧しい祖国に富をもたらす宝石の正体であることを知ります。現実世界にはもちろん、先祖の魂が守る精霊が生み出す宝石はありません。しかし、家族――血のつながりではなく心でつながる家族の絆が自分を支えていることを実感させてくれる一冊です。この世に生を授けてくれたのも、ここまで育んでくれたのも、家族であり、そこに続く先祖であり、自分ひとりで生きてきたわけで...この感想を読む

5.05.0
  • 月読三葉月読三葉
  • 103view
  • 426文字

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