虚空の旅人の評価
虚空の旅人の感想
チャグムの話
守り人シリーズの第4巻だったと思います。「精霊の守り人」から3年がたち、14歳になったチャグムが星読博士のシュガと共にサンガル王国に招かれ、そこでトラブルに遭遇するという話。チャグムが、さらに頼もしく成長する姿がとてもよく描かれていると思います。それに、星読博士のシュガもなんだか人間くさくなっていてなんだか身近に感じれる部分があって、微笑ましく思いました。今回はバルサは登場しませんが、確かにチャグムの中には彼女の強さが宿っていて、バルサの存在は大きなものだと感じました。あっという間に物語に引き込まれていきスラスラと読み終えることが出来る作品だと思います。
隣国サンガル王国が舞台
今作は守り人シリーズに含まれますが外伝的なものです。守り人シリーズの主人公はバルサですが、今作のようにタイトルが守り人ではなく旅人となっているものはチャグムが主人公の役割を果たしています。新ヨゴ皇国の南西に位置するサンガル王国の新王即位儀礼に招かれたチャグムとシュガはこの世の者ではない存在に魂を奪われ、そのために生贄とされる少女に出会います。時期を同じくしてサンガル王国内では国を揺るがす陰謀が企てられていました。チャグムはその騒動に巻き込まれていくわけですが、自分自身の立場に苦しみます。心では人を助けたい。しかし皇太子としてはそれは許されないことだと。チャグムが最終的にどんな答えを出すのかも今作の見どころだと思います。