蒼路の旅人のあらすじ・作品解説
蒼路の旅人は、2014年に国際アンデルセン賞・作家賞を受賞した上橋菜穂子による人気ファンタジー小説「守り人」シリーズの第6作として、2005年4月に偕成社から刊行された。 人と精霊が混在する世界を舞台に繰り広げられる物語は、迫りくる大国からの脅威に己の身ひとつで対峙し、運命を切り開くべく遥か南の大陸へと旅立つ新ヨゴ王国の若き皇子チャグムの物語であり、壮大な大河物語の結末への序章となる外伝的な作品である。 1996年に刊行された「精霊の守り人」からはじまる「守り人」シリーズは、全10巻と短編集から構成された長編ファンタジー大作であり、日本児童文学者協会新人賞や野間児童文芸新人賞など数々の賞を刊行のたびに受賞するなど、国内外で評価の高い作品である。 アメリカをはじめとする世界各国で翻訳刊行され、コミック化、アニメ化されるなど世界中で高い人気を誇るこの作品は、2016年にはテレビドラマで実写化される。
蒼路の旅人の評価
蒼路の旅人の感想
チャグムの話第2弾
守り人シリーズとしては第6巻ですかね。チャグムの主人公の話としては第2弾です。今回チャグムは15歳になっています。話はタルシュ帝国の野望から新ヨゴ王国を守るため罠と知りながらもサンガル王国への援軍に同行するチャグム。父に疎まれた存在だと自覚しつつもバルサやタンダと過ごした思い出を支えに皇子として、チャグムは大きく成長していきます。物語はどんどん予期せぬほうへ進んで行きチャグムの行く末がすごく気にかかります。たった15歳の少年が、こんなにも大きく成長するとはこの作品の素晴らしいところだと思います。とても面白い作品なので、一気に読んでしまいました。次作もとても楽しみです。
ラストへ向けて大きく動き出す物語
チャグムが主人公の旅人シリーズの第二弾です。舞台は海を渡ってタルシュ帝国まで及びラストの三部作へ向けて風呂敷が広がっていきます。虚空の旅人の時よりもずっと成長したチャグムが見られて嬉しいですが、帝との確執はより露骨になってきて悲しくなります。罠と知りつつも味方である祖父を助けるため、サンガル王国への援軍の船に乗るチャグムですが、タルシュ帝国の密偵に捕まり、タルシュ帝国へ連れて行かれます。ヒュウゴが敵でありながら中々良い味を出しています。状況はすごい劣勢でどうあってもタルシュ帝国に勝てそうには思えませんが、チャグムは道を切り拓くことができるのか先が気になります。