神の守り人のあらすじ・作品解説
神の守り人は、上橋菜穂子による長編ファンタジー小説「守り人」シリーズ5作目の作品であり、2003年1月に「来訪編」「帰還編」の2部編成で偕成社から刊行された。 人買いから救い出した幼い少女アスラに秘められたロタ王国を揺るがす恐ろしい力をめぐり、‘猟犬’と呼ばれる呪術師の手から少女を守りつつ逃亡を続けるバルサ。追手と秘められた力から少女を救うべく、うずまく陰謀に立ち向かうバルサを中心に繰り広げられる壮大なスケールの物語である。 1996年に刊行された「精霊の守り人」からはじまる「守り人」シリーズは全10巻と短編集からなるファンタジー大河巨編であり、アメリカやフランスをはじめとする世界各国で翻訳刊行され、世界中で高い人気を誇る作品である。 本作は第52回小学館児童出版文化賞を受賞するほか、「守り人」シリーズでは第34回日本児童文学者協会新人賞をはじめ数々の賞を受賞するなど国内外で高い評価を得ている。
神の守り人の評価
神の守り人の感想
待ちに待っていた続編
前作から待ちに待って発刊された今作品。守り人シリーズで言えば、第5巻となるのでしょうか。今回の主人公はまたバルサになります。ヨゴ皇国国境近くの宿屋でタルの民の兄弟を助けたバルサ。話はロタ王国へ移り、不思議な力ゆえに猟犬と呼ばれる者たちに命を狙われているアスラ。タンダと離れ離れになりながらも、アスラを守りながら逃げるバルサ。今回の話は上下巻ということで、どんな風に話が進んでどういう風に完結していくのか、楽しみで楽しみで仕方ありません。今作も一気に上巻を読んでしまいました。続きがすごく気になります。これが児童書だとは信じられないくらいすごく面白い作品ですね。
バルサとタンダのせっかくの平穏な日が一転
バルサとタンダは新ヨゴ皇国の草市で人買いやロタの呪術師の手から幼い兄妹を助けてしまいます。それが元でタンダと兄の方のチキサは人質として捕まり、バルサは妹のアスラと共に追手から逃げることになります。今までとは感じが違うロタの呪術師や、チャグムとはまた違ったもっと畏ろしい存在を身に宿してしまったアスラが登場することで話のスケールが大きくなってきたように感じます。タルハマヤなど著者の創り出す言葉は聞き慣れないけど不思議と頭に残る気がします。下巻では舞台がロタ王国へ移るようで、これで新ヨゴ皇国のある大陸の全ての国が描かれることになります。アスラを救うことはできるのか先が気になります。