ベンジャミンバニーのおはなしの評価
ベンジャミンバニーのおはなしの感想
幸せになるはなし
大人の私だからこそ心踊るいわゆる「大人向け絵本」。ピーターラビットシリーズについて私はそう思っている。子どもが読んでももちろん面白いけれど、大人が読んだらもっと面白い。もっと素敵なところにたくさん気づく、そんな絵本だ。「ベンジャミンバニーのおはなし」もその例外ではない。彼らは洋服を取り返しに行く。そしてあっさり取り返す。相手はかかしだ。畑にはえている作物は玉ねぎやレタスといった子どもにとっては縁のない野菜(ハンバーグやオムライスではない)だけれど、それをかじりながら歩く様子はおいしそうで仕方ない。私はこれを、「サラダを食べるようになった大人の私」ならではだと、思っている。さらにはマグレガーさんと貴婦人が出かける描写では、貴婦人はボンネットをかぶってよそゆきの格好で馬車に乗り、ピーターのお母さんの作るものはハーブやローズマリーティー、うさぎタバコ!このどれもが、大人の私の感性をウキウキさせ...この感想を読む