男が男に惚れる映画
この映画は冷戦時代の米ソ冷戦時代を象徴している。真っ暗な闇の中まだアメリカが存在を確認さえしていない潜水艦がゆっくりと出港する。潜水艦の名前はレッドオクトーバー。世界最高の技術を思った潜水艦だ。その艦長にはショーン・コネリー。貫禄がすさまじく軍服がよく似合いすぎ。そして常に艦長の傍につき女房役なのがサム・ニール。ジェラシック・パークではアクティブな化石博士をしていたが、今回では動きも極力少なくしかし常に船長の心情を常に把握していく重要な役である。艦長にはある究極な目的があるが、潜水艦という密室の中でどういう風にその目的を進めていくのか。ショーン・コネリーの抑えた演技がすごい。私は艦長と補佐役のサム・ニールがお互いの夢を静かに語り合う、しかしその間実は物凄い緊張感が漂っているのがとても面白いと思う。エンジンが切れた静かな海の中、机の上のコップの動き・・一つ一つの小物の動きにもとても丁寧だと思う。対するアメリカ軍潜水艦艦長にスコット・グレン。こちらの艦長もやりことも判断力もすごい。何千ドルもかけて海軍が製作した機械よりもソナー士の生の耳を信じるというかっこよさ。機械よりも経験を信じるタイプ。
二つの相反する国の最高の潜水艦の艦長を出会わせるのがCIAの情報分析官のジャック・ライアン。決してこの艦長達のようにかっこよさはでてこないけど、何がなんでも自分が思ったことはやるタイプ。
この三人の男を中心にした男たちの世界。それぞれが自分の仲間を信じて行動していく後半ではものすごい潜水艦バトルが繰り広げられる。超優秀なソ連、アメリカの艦長達の戦略。海からジャンプする潜水艦のかっこよさ。私はこの潜水艦ジャンプをみるたびに鳥肌が立つほど。百戦錬磨のソ連艦長の戦略、そしてアメリカ艦長のタイミングが大切な戦い方。特にスコット・グレンの冷静なひと言には責任感と自分との闘いがにじみでていた。
二つの大国の思惑の中、走り回ったジャック・ライアンが静かに飛行機で眠り、隣で座っているクマのぬいぐるみに幸せを感じてしまう。
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