今まで読んだ中で一番好きな作品 - 太陽の塔の感想

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小説レビュー数 3,368件

太陽の塔

3.753.75
文章力
4.50
ストーリー
3.50
キャラクター
3.75
設定
4.00
演出
3.00
感想数
2
読んだ人
4

今まで読んだ中で一番好きな作品

5.05.0
文章力
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
設定
5.0
演出
5.0

森見登美彦さんの作品はいくつか読ませていただいているのですが、全て世界観に圧倒されております。

この太陽の塔という作品も、その一つです。まず、物語のスタートからびっくりです。

主人公は京大生なのですが、

かつて付き合っていた女性の研究と題し、女性の行動を観察します。ストーカーとは決して言わない、しかし京大生という頭のいい次元の人間はもしかしたらやるであろうその研究、その物語の始まりから世界観に引き込まれます。

物語は一緒にいる仲間や、もう一人のストーカー遠藤の出現とともにクリスマスに向けてゆるりと展開していくのです。

いけてない学生たちの織りなす、恥ずかしい青春がとても楽しく描かれているのです。

注目すべきは、小出しにでてくる小さなエピソードです。いけてるイベントサークルに対抗し、「男汁」といういけてないイベントサークルを作ったり、鴨川の男女男女とカップルが並ぶその秩序を乱したり、といけてるやつが楽しくいけいけに過ごしてる中で、いけてないやつも生きてるんだぞ。というエピソードの数々。僕もいけてない大学生活を送ってきたのだが、森見さんは、僕らに胸張って生きろとそう伝えているように思います。いけてないやつらも面白いんだよってのを全面に押し、でも彼らはなんだか生き生きしてかっこいいのです。

逆にいけてるやつは、この小説を馬鹿にしながら読むんだろうなと思うと、ただ面白いへんてこな小説ってだけでこの物語の本質を見抜けないだろう。

森見さん、いけてない人のいけてないがむしゃらな生き方、僕にはできるかわからないけどやってみます。

最高の作品です。

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他のレビュアーの感想・評価

視点が変われば世界も変わるのかもしれない、一部で。

(あえて太陽には触れないでいますね…!)この作品は中心点の位置が何といっても変わっていて面白いです。振られてストーカーの恋路を何故か応援してしまう、とかのところ。私には出来ないなー。と感じる箇所が多々!(笑)飾磨君も含む皆さんポツポツ本音語ってます、サラリと。「聞かなかったことにしてくれ」と言うけど「ええやじゃないか」しっかり達成していたり。その中にいい方向に矛盾していく青年の心が垣間見えました。ストーカーという視点だと、どうしても内容が暗くなりがちですが、クリスマスファシズム言うわりには楽しむ。プレゼントにはまったアレが出ましたよ。森見登美彦さんの「四畳半神話大系」でもお馴染みのアイテム、❝ゴキブリキューブ❞これはたまらんでしょう!さぞかしその魔力にやられたのでは、遠藤氏?紙袋だとカサカサ音がしてばれちゃうんじゃないかなーとヒヤヒヤ? いいえ、 (※小説だから)ワクワク! したのは私だけで...この感想を読む

2.52.5
  • hamham
  • 68view
  • 538文字

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