フィクションには、本には、言葉には、人を殺すことのできる力が宿っているんだよ、すごいと思わない
御冷ミァハ
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小説レビュー数 3,368件
裏切られた感のある小説ハーモニーは伊藤計劃さんがデビューした虐殺機関を意識して書かれた小説であるとあとがきでもありましたが、前後作を知らなくてもこれ単体で十分楽しめるのが素晴らしいです。ただし、このハーモニーに登場する人物たちの発音は少々難しいです。デビューして何故2年ほどで亡くなってしまったのか、(私は彼が亡くなった後で伊藤計劃という人物を知ることになりました。)それだけでももっと作品を読みたかった私としては裏切られた感があるのに、内容もわりと最後まで裏切ってくれます。思い通りの展開・ストーリー、全部が丸く収まって全員がハッピーエンド、ありきたりな受け狙いなんて嫌いだね、まっぴらごめんだ、という私のようなひねくれ者にはいい作品だといえるでしょう。感情が薄そうに見える主人公私が好きな某漫画家さんもそうなのですが、この方も主人公がそんなに情熱的・熱血的……少なくともものすごく感情を表に出す...この感想を読む
御冷ミァハ
主人公に自分の考えを認めさせようとする場面。
御冷ミァハ
プライベートが卑しいものとされる世界でミャハの視点から死と個人の観念を捉え、ミシェル・フーコの言葉を引用し主人公に訴えるシーン。
御冷ミァハ
本が電子化された世界で、手間をかけて製本された本を読む理由を主人公に伝えるシーン。