性別とは何を分けているのだろうか?
元々、東野圭吾作品が大好きでしたがこの作品は1、2を争って大好きな作品です。
この本では、性同一性障害の方の生きにくさ、苦悩がとてもよく表現されていると思いました。性別とは何を分けているものなのかと思わされました。体の性別と、心の性別。簡単にはこれが一致していない人が性同一性障害とされています。しかし、現実はこんな簡単なものではありません。最近では性同一性障害とは一般でもよく知られる病気の一つになっています。しかし、カミングアウトをするまでのことはほとんど、知られていません。この障害を受け入れるためにはどれほどの苦悩があることかは、この本を、読んで初めて知りました。そして、自分の回りにもこのようなことで苦しんでいる人がいるのかもしれないと思いました。
そして、この本を読みながら性別とは何かと考えたとき、答えが見つかりませんでした。体が男だから男、体が女なら女、と単純にはいきません。そこに心がついてこないと非常に苦しむことになります。また、身も心も女性であっても男性のようなファッションを好む人もいますし、身も心も男性でもしぐさが女性のように繊細な方もいます。それは好みであったり個性です。
人と接するときは男女の固定概念より、個性や人の好みを受け入れて人とは付き合っていくことが一番、大切なのではないかとこの本を読んで思い知られました。
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