素晴らしいの一言
1996年にCLAMPが発表したこの作品は、主人公・さくらがある不思議な本を見つけ、封印されていた獣・ケルベロスと出会うところから始まる。前半はばらばらになったクロウ・カードが起こす様々な事件に巻き込まれながらカードを集めてゆき、後半ではそのクロウ・カードを取り巻く人々の内面や秘密を中心に話が展開していく。
この作品は、とにかく登場人物が可愛らしい。もちろんストーリーとしても素晴らしい作品であるが、そのストーリーの登場人物たちが非常に魅力的である。明るく天真爛漫な性格の主人公・さくらをはじめ、隠れシスコンな兄の桃矢や、さくらに友人以上の想いを抱いている知世など、登場人物それぞれがそれぞれのストーリーをしっかりともっている。
カードキャプターさくらが他のアニメと違う特徴としては、独自の「愛」の形が挙げられるだろう。教師と教え子(小学生)の恋愛、同性への片想い、従妹への親愛以上の想い、など、キャラクターたちがそれぞれの愛を持っている。たとえば、知世からさくらへの愛と、知世の母からさくらの母への愛には、親子だからだろうか、通ずるものがある。どちらも同性の相手に対して、(本来そうあるべき)友情や親愛を超えた想いを抱いている。また友情を超えているということに関しては、桃矢と雪兎の間にも見られることである。当時としては衝撃的な愛のかたちであるのは間違いない。しかし、この作品の「フリーダム」が、現在の作品に影響を与えているのではないかと、そう感じる。
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