まさに宝さがしといった映画
武力VS頭脳の攻防
「独立宣言書」を武力戦で狙うイアンに対し、頭脳戦で狙うベンの攻め方の違いに注目です。警備員の身分証を偽造したり、監視カメラの映像を前もって盗撮していたりとベンの方は手が込んでいます。一方武力行使のイアンですが、監視カメラの映像を偽造するのはベンと同じですが、指紋認証を突破するために警備員を襲って指紋認証をクリアしたり、ドアも機械で無理やりこじ開けようとします。警備員を襲ってしまっているので、いくら監視カメラの映像を偽造しても時間稼ぎにしかならず、FBIにも乗り込まれてしまい、あと一歩のところでベンに先を越されてしまいます。しかし、さすが武力戦だけあって銃を撃つのには迷いがなく、ベンをみつけるとすぐ撃ってきます。
「独立宣言書」を盗み出すところで一番の好きなシーンは売店のシーンです。レプリカを万引きしようとしていると思われたベンは、結局本物を1本35ドルで買うことになりましたが、現金は足りずカードで支払い可能と言われます。それが幸か不幸か追ってきたアビゲイルをあざむくのに購入した本物の?レプリカを使うことができ、そのアビゲイルを襲ったイアンたちもあざむくことができました。車の後ろのドアを開けた時にとっさに入れ替えたんですね。
ベンとイアンは最初は仲間でした。そのためか一瞬和解したのかなと思うシーンがあります。教会でベンは父親と、アビゲイル・ライリーを人質にとられている状態でしたが、接眼鏡で「独立宣言書」の後ろの地図を自分が見た後、お前も見てみろといった感じでイアンに接眼鏡を渡し地図を見せています。教会の地下に降りていく階段が崩れた時にもベンの父親を助け、もう少しで下に落ちそうになったベンを父親が助けるのを手助けします。決裂する原因は「独立宣言書」を盗み出すといったイアンと、盗み出すのを反対したベンとの意見の相違からだったのですが・・・。結局イアンから守るといった大義名分があったにせよ、またFBIに相手にされなかったということもあったにせよ、ベンは「独立宣言書」を盗み出しているのですから、イアンと決別する意味があったのかどうなのは少し疑問を残すところではあります。しかし、最後すごいお宝を見つけたのにそのほとんどを国に寄贈してしまい、自分たちは少ししか分け前をもらわないところで、財宝を自分のものにするために探していたのではなく、家の名誉のために宝を探していたところがイアンたちとは違っていると言いたかったのかもしれませんね。
オッテンドルフ数列
映画ではある文章の、ページ数ー列数ー文字数(左から何番目か)にあるアルファベットを順にたどっていくと別の文章になる暗号のことを言っています。そしてここではフィラデルフィアの「フランクリン化学博物館」に展示されている手紙が暗号解読用の文章となっています。劇中では有名な暗号のようにベンが言っていますが、暗号が使われているのはこの映画だけのようです。この映画の影響でか、ゲーム(脱出ゲーム)などの暗号解読に使われていることはあるようです。
絶妙なタイミング
ベンが国立公文書館から独立宣言書を盗み出すときは、エレベーターを待っているところでイアンに見つかってしまいますが、そのあとの見つかりそうで見つからない絶妙なタイミングがたまりません。「フランクリン科学博物館」で子どもに暗号のアルファベットを調べてきてもらっていたライリー、同じく「フランクリン科学博物館」にきたイアンが、子どもの行動を不可思議に思い後を追って外に出ますが、子どもが行った先には誰もいない。寸前のところで最後の4文字がわかりライリーはその場を離れています。
独立記念館での謎が解け、接眼鏡をみつけたときのベンと記念館の上にたどりついたイアンのタイミングも絶妙です。イアンが記念館の上にたどり着く直前まで、ベンがそのメガネが隠してあった壁のところにいますが、イアンが窓を開けてその壁のところをみたタイミングで姿は見えなくなっています。
Disney映画
これはDisney映画です。その証拠に映画のはじめにシンデレラ城がでてきます。Disney映画だけあってアトラクション感が満載です。最後の宝を見つけに教会の地下に降りるシーンがありますが、いまにも壊れそうな階段が壁に沿ってらせん状に降りていきます。そこには乗ると落ちてしまいそうな木製のエレベーターが・・・。安全策にと階段を下りて行こうとしますが、お約束通り階段が崩れ落ちてしまい結局木製のエレベーターで底まで降りることに。底まで降りると念願の宝の山が!と思ったら何もない。はじめのキーワード「秘密はシャーロットとともに眠る」を思い出し、パイプと同じ形をした穴にパイプを差し込むと扉が開く。扉の先には100億ドルの宝の山がずっと部屋の奥まで続き、その先には教会に続く階段が・・・。まるでディズニーランドのアトラクションみたいです。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)