埋もれ気味の良作
映画館でアニメといえばジブリですが、この作品も家族愛をテーマにした素敵な作品です。
アニメ映画なので、アニメ好きかつジブリ系が好きな人が見に行こうと思わないと見ない作品だったので、もったいないなと思います。
ファミリー層は、アニメ映画は有名どころにしか見に行かないですからね。
この作品は、広島の田舎に母親と一緒に引っ越してきた女の子が主人公の話で、ある日妖怪を見てしまうことからストーリーが始まります。
そして、この女の子には、死んだ父親がおり、亡くなる前に父親にひどいことを言ってしまったことをひどく後悔しています。
そして、父から「ももへ」という、文章の書いていない手紙が遺されます。
なんて書いていたのか、というのを妖怪に頼んで父親に聞こうという流れです。
ストーリーは、ファミリー向けに分かりやすい展開なのですが、「人狼 JIN-ROH」の沖浦啓之監督が7年かかって作り上げたという前提を知って見に行ったアニメファンには、物足りなかったかもしれません。
人狼の内容が、混沌とした世の中で生きる主人公を描いた作品だったので、アニメの系統も違いますしね。
ただ、そうしたことを知らずに見れば、心温まる良い作品だと思います。
また、舞台となった広島や妖怪の書き込みの凄さやキャラの愛らしさが、作画や声優さんによって遺憾なく発揮されていて、魅力的です。
本業が声優でない方々を使っていますが、こちらのアニメではさほど気になりませんでした。
特に、西田さんは、俳優としても声優としても上手いですね。
ちなみに、田舎のほのぼのするアニメといば、書道アニメ「ばらかもん」を思い出すのですが、こちらは長崎の五島列島を舞台にしています。
ばらかもんは、書家と近所の子たちとのふれあいや成長がちょうどよい感覚で描かれており、評判が良かったです。
ももへの手紙も、こちらのような30分アニメのスタンスで1クールでいいから、もっとじっくり物語を掘り下げて、NHKなどで放送されていたら、評価は違ったのではないか思います・・・
映画館で、2時間に1800円は敷居が高いですし。
でも、制作者へお金を還元するなら映画なんですよね・・・
何も知らずに見て、田舎の空気感や家族愛、妖怪好きなら楽しめるアニメです。
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