時代背景に絡めた設定がおもしろい。主人公を取り巻く人の優しさに心うたれます
一人の少女の運命を変えた嘘から始まるストーリー。
時代や土地設定はずいぶん昔のようです。歴史物苦手ですが、斬新な展開にどんどん引き込まれます。主人公サラサが好意を抱くシュリは、読んでいる側はサラサの敵であることを知っていますが、なぜか「サラサに気づかれないで!」と祈ってしまいます。家族を殺されたサラサは、仇を討つために敵であるシュリを追って旅に出ますがそこで必ず運命の再会を果たす二人。運命ではなく必然である再会なのに心惹かれ合う描写が素晴らしいです。二人が事実を知って終わりへ向かうのかと思いましたが、それからの二人の感情や生き様もしっかり描かれています。
また、他にも魅力はたくさんあります。私が一番オススメしたいのは、幼い子どもを必死に支える周りの大人たちの存在です。角じいやナギといった始めから側にいる人達、ストーリーが進むにつれて出会う多くの運命を背負っている大人たちの。彼らの人生もまた魅力的で、すべてのキャラクターでスピンオフを出していただきたいほどです。
今の日本でも、昔は子どもを地域の大人が守ることは当たり前でしたが、今では毎日のように悲しいニュースを目にします。一人の子どもに対してたくさんの大人が関わることの大切さも、この漫画で伝わると思います。
ぜひとも多くの方に読んでいただきたいです。
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