注目して欲しいのは まろん”以外”
ヒロインはまろんちゃんだけじゃないんです
メインヒロインのまろんと、その恋のお相手である稚空。
神様と魔王の戦いを通して、この2人の恋の行く末が描かれている『神風怪盗ジャンヌ』ですが、個人的に好きなのはまろんと稚空”以外”なんです。
神風怪盗ジャンヌへ変身したり、新体操部のエースだったりと華やかな王道ヒロインのまろんですが、それ以外の女の子も魅力的ですよね。
稚空の想いを抱えながらも、ひたすらにまろん思いな都。
まろんやアクセスと魔王の間でゆれるフィン。
『神風怪盗ジャンヌ』のヒロインって何もまろんだけじゃないと思うんです!
親友 都の本命
都と言えば、まろんの大親友!あと、圧倒的な稚空ラブ!
バレンタインにはチョコで作った等身大の都像をプレゼントするほどです。あれを見る度、どうやってそれを運んだんだとツッコミを入れたくなっちゃいます(笑
それでも、最終的にまろんと稚空を応援できるのが都の強い所ですよね。
稚空をあきらめて、まろんの肩を押して、最終的にまさかの水無月くんと落ち着いた都ですが…、何で水無月くん!?と思った人は私だけじゃないと思いたいです。
まろんを送り出して、稚空を諦めるときっぱりと口にした後だったのもあって、気持ち的にすごく弱くなってたタイミングではあったと思うのですが、水無月くんにどきどきしちゃうシーンはさすがにちょっと無理やりじゃないかなぁと感じています。
なので、個人的に「(有菜っちは)最終的に都と水無月くんとくっつけたかったわけではない」んじゃないかな、といった捉え方をしてます。
何でかって言うと、多分「都の本命はあくまで まろん だから」だと思うからです。
もちろん、同性愛の話をしたいわけではなくて(笑
『あの子の隣にいるの、ずっと私だと思ってたのに』
『日下部まろんを傷つける人は、それがたとえ東大寺都でも許さないのよ、私』
っていう、都の名台詞にもあるように、都にとってまろんは友達よりも、親友よりも、もっと大切な家族って枠組みに近いんじゃないかなと感じるんですね。
だから、稚空への愛情よりも、まろんへの愛情の方が大きかったから、家族の幸せのために稚空への愛情を諦められたんだと思うんですよ。
というか、むしろ「まろんを支える役」が自分から稚空に変わってしまったのに寂しさすら感じてると思うんです。
だから、『都の本命はあくまでもまろん』であると思うし、それだけまっすぐにまろんへ愛情を注げる都は本当にかっこよくて優しい魅力的なヒロインなんです。
歪みながらも変わらないフィン気持ち
ジャンヌで誰が一番好きかと聞かれれば、「フィン」と即答出来るくらいフィンが好きです。
アクセスがフィンへ片想いしているような描写が多かったですし、後半にかけては「実は堕天使でした~!」といって裏切っちゃう(というか、元々魔王側でずっとまろんを騙してた)わけなので…
フィンが堕天する前の過去話でも、アクセスとはそこそこ仲の良い天使仲間のような描写から、人間界で相模と出会い相模に惹かれていくかのような流れだったので、生前妹でした!には驚いたものです。
なので、準天使になったアクセスとの対峙したエピソードで涙ながらに『アクセスの話聞くって約束したもの、そのために戻ってきたのよ』『ずっと好きだったんだから』には心を打たれました。
人間界へ向かう前の「帰ってきたら話がある」を「聞く」と言った、私にとって些細な約束のシーンは、フィンにとっては天使としての誇りも何もかも捨てて堕天するだけの意味があったと思うと、涙が止まりません。
天使としての最期、魔王が消えるタイミングでまろんを道連れにしようとしたために庇った、も見れるのですが、フィンとしては、アクセスと両想いになって共に過ごすことよりも、『アクセスとした約束を果たす』ことが何よりも重要だったんじゃないかなと、思うです。
なので、消滅するしかなかった自分にもう一度アクセスに会うチャンスをくれた魔王にも感謝していて、だからこそ、せっかく気持ちを伝えられたにもかかわらず、魔王と共に消えることを躊躇わなかったのではないかなと…。
でも、全て精算して転生した世界では、ちゃんとフィンとアクセスには幸せになってもらいたですね。
そして、そういった流れがわかると、アクセスを「魔王の手先」だとまろんに伝えたり、ジャンヌとシンドバッドの戦いの最中も実はずっとアクセスの事を想っていて、でも堕天した自分への負い目もあって…。
だからきっと、何度も話しかけるアクセスにそっけない態度しか取れなかったのかな、とか、シンドバッドと共に登場したアクセスを見た時、フィンはどんな風に思ったんだろうとか、フィンの視点を考えながら読むとまったく違ったお話になってきます。
ジャンヌは「まろん」だけの物語じゃない
もちろん、主軸のまろんちゃんのお話もすごく切なくて、あったかくて、素敵なお話なのですが…
『神風怪盗ジャンヌ』は「まろんと稚空の恋の話」だけではないと思うんですね。
都の想いや、フィンの想い、1度読んだからこそ見えてくるものを頼りに、彼女たちの目線に立って繰り返し読みんで楽しめるのが『神風怪盗ジャンヌ』の魅力ではないでしょうか。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)