それが誰かのためになるという間違いない確信を得た時、人は利得を超えた行動をとることがある
吉野絵里香
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予告犯は、集英社によるジャンプ改に、2011年から2013年まで連載された作品であり、また、2015年に映画化が発表されている作品である。漫画家筒井哲也によって生み出された作品で、コミックは三巻からなる。 この物語は、近年増加傾向にあるネット犯罪を題材としたもので、警視庁のネット犯罪対策部署と、新聞紙を頭にかぶることによって、身元を隠し、そのため警視庁は彼らをシンブンシと命名。彼らシンブンシは、次々と予告、そして犯罪を遂行する、それを追う警視庁と頭脳戦を繰り広げるというものである。そうした、犯行を繰り返すうちに、シンブンシはネット上で大きな支持を得ることとなり、協力者や模倣犯が現れ事件はその混迷の度合いをさらに深めていく。そしてラスト、シンブンシがなぜこのような犯行を引き起こしたのか明らかになるのだが、その動機は警察が想像していたものと大きく違う、あまりにも個人的でありながらも、悲しく壮大なものだったのである。
「予告犯」は筒井哲也先生の作品で、新聞紙をかぶった謎の男がテロを行う様子を描いていくサスペンス漫画です。ダークヒーローが好きな方におすすめです。新聞男は、ネットに予告動画をアップし、その通りに犯罪を起こしていきます。でも、その被害者(対象者)はすべて、面接を受けた人をネットで晒した人事や、責任を放棄した食品会社など過去になんらかの犯罪や、モラルに反する行為を行った者達ばかりなんです。なので、新聞男のことを必ずしも、恨むことができないというか、ちょっと歪んだヒーローというかんじなんですよね。いやー、これ考えたのってすごいって思いながら読んでしまいました。
吉野絵里香
主人公のゲイツが、自分の命までも捨て、一見利得のないようなことをやり遂げる。それが仲間の為であったということに吉野絵里香が気づきハッとするシーン