"詰み"があるのは将棋だけだ 最後まで足掻き踠く人間(モノ)に…詰みはない
菅田健太郎
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『ハチワンダイバー』とは柴田ヨクサルによる日本の将棋漫画、バトル漫画。将棋に関する監修はプロ棋士の鈴木大介八段である。2006年から2014年までの間集英社週刊ヤングジャンプにて発表された。コミックスは全35巻。2008年にはフジテレビ系列にて実写ドラマ化、2009年にはWiiとニンテンドーDS、そしてプレイステーション2においてそれぞれゲームソフト化もなされた。 本作はプロ棋士の進級試験に落第し、真剣師に身をやつしていた主人公菅田健太郎(すがたけんたろう)が偶然出会ったアキバの受け師こと中静そよとともに世界を将棋によって乗っ取ろうとする謎の組織鬼将会と対決していく物語である。基本的には各真剣師やアマチュア棋士、さらにはプロ棋士や竜王、名人といったタイトルホルダーまでが様々なシチュエーションで将棋対決をする漫画であるが同時に格闘技でのバトルも描かれることがあり、その際は作者の別の作品のキャラクターも客演する。
あらすじ奨励会という将棋のプロの養成機関、そこでプロを目指していた菅田という男。あと一歩でプロ棋士の夢を絶たれ、今はただ賭け将棋で日銭を稼いでいる。連日無敗。そんなとき、アキバの受け師という名の、可愛く、めちゃめちゃ将棋が強くおっぱいが大きい真剣師(賭け将棋で生計をたてる人)と勝負をするが惨敗。そんな、アキバの受け師からお願いをされる。『一緒に鬼将会を潰してくれませんか?』とてつもなく大きな闇の組織との戦いが幕をあける…。こんな稚拙なあらすじですが、この漫画の凄いところは、将棋がわからなくてもおもしろい!ところです。私は初めて、柴田ヨクサルさんのお話を読みましたが、漫画の言葉の勢いがすごいですね!文字数が多い!なのにスラスラ流れるように読める!駒を打つ音さえも聴こえてきそうな、勢いのある画と非常にマッチして、将棋を指してるのにまるでバトル漫画!!まぁ、ほんとにバトルシーンもあるんですが...この感想を読む
最初の話は、「将棋」が分からないとどうすごいのか分からないと思いながら読んでいたが、まさかの勢いのある漫画に目が離せない。プロになりきれなかった「菅田」が、その後も諦めきれずに勝ち続ける姿は少し虚しい場面だったが、「アキバの受け師」の出会い、そして彼女に負けたことから、本気で「真剣師」を目指す姿は目を離せない。つまらないプライドを捨て、日頃の生活のために稼ぐ姿や、徐々に「真剣師」として目覚めていく姿や、「20万円」賭けた勝負にもプレッシャーに負けずに打ち続ける勢いは面白い。最後に、賭場場で「マムシ」と対決し、ついに「将棋」81マスに潜った「ダイブ」という新たな技には、この漫画のタイトルの意味が分かり、感心した。
秋葉原のメイドカフェで働くようなメイドが「アキバの受け師」と呼ばれる凄腕の将棋の指し手だった。メイドと将棋というのは考えてみれば凄いミスマッチであります。しかしこのマンガを読んでいるとそれが当たり前のように考えられてくるから不思議であります。もっとも、この作品の主人公は彼女ではなくプロになれなかった男、菅田なのですが彼らの手による将棋をメインとしたストーリーは非常に読みごたえがあります。しかしストーリー性は高いのですが肝心な将棋部分に関しては勢いだけが取りざたされて、肝心の内容については解説が不十分なところもあります。実際のプロ棋士の方が監修されているため、作品中で行われている対決の棋譜などはしっかりしたものではあるのですが、それを専門的に解説してしまうと将棋に興味のない人は付いてこれないためにあまり専門的な内容は避けられているようです。
菅田健太郎
敵に(将棋以外で)追い詰められた主人公が、危機的状況で言った一言。