格調ある文章で語られる恋物語
ドイツに留学した鴎外自身をモデルにした作品と言われています。 現地で出会った貧しさに苦しんでいる少女を救ったことから交際が始まります。主人公もヒロインのエリスも互いに惹かれ合い一時は二人で一緒になる寸前にもなりますが、将来を嘱望されるエリートである主人公のため、周囲から妨害が入って破局へと向かってしまいます。 基本、悲恋物語ではありますが、特徴は流麗な擬古文で書かれていることです。したがってあまりに古文のようなものに馴染みがなかったり、苦手である場合は読むこと自体が苦痛である可能性があります。 しかし近代の文章なのでやはり骨格は読みやすく、文語文を好む方にはその独特の迫力やリズム感など口語文では味わえない魅力があるのも事実です。 ただの自伝的作品でなく物語としてドラマチックに、見事に仕上がっていることもあり、作家としての森鴎外の初期の代表作と言われてるのも頷ける出来となっております。
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