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- ヘビーな伊坂小説。
3.683.68
- 文章力
- 3.95
- ストーリー
- 3.55
- キャラクター
- 3.73
- 設定
- 3.77
- 演出
- 3.64
- 感想数
- 11
- 読んだ人
- 31
まず物語の設定が重い。「私」の弟である「春」は母親が強姦されたときに身ごもったときの子供であり…そのほかにも物語に出てくる一人ひとりに逃れられない悩みがあり…といった調子で中盤に入るまでは物語が進みます。しかしこれが伊坂氏らしさというのかその設定の割りにその話ほど重くは感じないのだ。あくまで割りに、だが。理由として伊坂節とも言うのか軽やかというのかキザといいうのか、そういった台詞回しや場面展開によるものかと思います。しかしこれはミステリーではありません、かといって家族愛というには感情移入しにくい設定のうえキャラ作りである。強いて言うならばこの物語にある様々な犯罪の起こりうる世の中に対するアンチテーゼを解いていくためのものなのだろうか。もしそうなのだとするならば、そのようなテーマをこのような軽やかなテンポで美しく書かれている小説としては良い評価をされてもいいと思います。もしかしたらそういった意味をこめての「重力」「ピエロ」といった意味も含むものなのかも?
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他のレビュアーの感想・評価
重々しいが面白い
兄と弟、父と母。一見普通の家族だが弟は母が暴行されてできた子であり、彼らは辛い闇を抱えていた。大人になった兄弟が主人公。兄弟の周りで起こる連続放火事件・壁の落書き(グラフティアートというらしい)・遺伝子配列、これらが繋がっていくにつれて真相が明らかになる。終始、重いものが離れない。訳ありで産まれた弟が普通であるようで普通でない。その描写が絶妙でリアルで上手い。事件の割にはゆったりした空気が流れている雰囲気だが、根底にあるドロドロ感が時々顔を見せる。犯人は初期段階で分かってしまったが、謎解きの過程は純粋に面白い。最後の父と兄弟が話す場面が温かく、物語の重々しさを少しだけ軽くしている。
3.53.5
重い
話題だったので、映画を先に見ました。一言で感想を言うと、「重い...]です。ボクにとっては内容が好きではなく、映画と小説を見終わった後に心が重かったです。しかし、映画で心が重くなったのに、なぜ小説まで読んだのか。それは「やみつきになる」重さだったからです。話題になるだけあります!家族の絆も多々書かれていましたが、殺人を美化しちゃダメかなーと、面白いを抜きにして思います。それでも、考えさせられるセリフや、心にグッとくるセリフが多いことはプラスポイントです。特にお父さんのキャラクターがいい味を出していました。ただ、重い。それだけです。
3.03.0
読みやすい文章
この本は伊坂幸太郎の傑作です。該当作品は展開がおもしろくてどんどん読み進めてしまうし、登場人物の人柄がみんなどこか好感がもてるし、大好きです。文章は読みやすい言葉で進めていましたので早く読めると思ってましたが、テーマが深いので、読み手の喜怒哀楽で、進まない。悔しかったり、尊敬したり、何で?と思ったり、登場人物と推理したりと忙しい。あっさりしてると思ったらこってりした内容でした。主人公はレイプされてできた子とその兄。ほら、深いやろ。結果から言って、とってもおもしろかったです。人々の感情がよく伝わってくるし、作者のユーモアある文章も好きです。読み終わってスッキリ感があり、また考えさせられる作品でした。
4.54.5
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