フランク・ザッパが言うには、失敗するのを死ぬほど恐れているのは、自分を最高に恰好いいと思っている自惚れた人間なんだって。
望月亨
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ガソリン生活は、伊坂幸太郎による長編小説である。朝日新聞夕刊でも連載されており、2013年1月に朝日新聞出版から単行本として出版された。 仙台市を舞台に家族の絆が描かれる作品だが、自動車が登場人物として多く描かれ、自家用車の視点から家族に起こる出来事が描かれる。緑のデミオをはじめ、多くの自動車が自動車同士でのコミュニケーションが繰り広げられる独特の世界観が特徴の一つであり魅力となっている。 大学生である望月良夫が自家用車であるデミオを運転中に偶然有った女優である翠を同乗させるところから物語は始まり、その後発生する出来事がいくつもの謎を呼び物語は進んでいく。登場する多くの自動車同士の会話が織り交ぜられながら、これらのストーリーが望月家の自家用車である緑のデミオの視点で描かれている。家族小説でありながら最終的には謎解きの要素を多く含むミステリー小説でもある。 伊坂幸太郎作品は『陽気なギャングが地球を回す』など映画化された作品も多いが、本作品は2015年時点で映画化されていない。
なんと車が主役の一冊。ディズニーの「カーズ」ファンな我が家にはイメージしやすくとても面白かったです。緑デミオと望月一家がトラブルに巻き込まれていく様子が緑のデミオの視点から物語が語られていきます。優しく善人の長男、大人顔負けの賢い次男、一家を支えるたくましい母、恋愛中のちょっと生意気な長女と魅力的な登場人物たちとのドラマ。そして伏線のはまっていく展開も爽快でした。人間には聞こえない車同士のコミュニケーション、持ち主への愛着、廃車になることの恐れなど、なんだかうちの車が話していたらと思うと、もっと大事にしてあげなきゃなあーと反省。最後のエピローグではうっかり泣かされてしまいました。
伊坂さんの本は全て読んできましたが、自分の中ではこの本は上位にランキングされています。伏線の回収やバラバラの物語が一気に収束していく様は健在しているし。ユニークで軽快な登場人物達の会話や台詞の言い回しの頬が緩んでしまいそうなほど。この物語の語り手は人ではなく、車なので不思議な感じはしますが、いつもの伊坂さんが滲んでいて読み終わった後、あぁこれだ、と思っちゃいました。読み終えたあと、むしょうに車をに感謝をしたくなりました。物としか考えていなかったけど。「いつも私たちを運んでくれて有難う。」て自分の車に喋りたくなりました。自分自身の車にさらなる愛着を持てるお話です。
よみがな:もちづき よしお ニックネーム:よしお 又は お兄ちゃん 年齢(作品時):20 性別:男 国籍:日本 所属:大学生 性格:お人好し 特徴:その名の通りグットマンだがちょっと抜けている 物語上での目的:弟の亨とともに車に乗せた荒木翠が事故死したことにより物語の事件に関与していく 資格:運転初心者
望月亨
失敗してしまった友人に対して放った言葉を回想している場面。