西の魔女が死んだの感想/考察/ネタバレ

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小説レビュー数 3,368件

西の魔女が死んだ

4.004.00
文章力
4.57
ストーリー
4.29
キャラクター
4.29
設定
4.14
演出
4.00
感想数
7
読んだ人
28

西の魔女が死んだの感想一覧

梨木 香歩による小説「西の魔女が死んだ」についての感想が7件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。

本作品に見る、ケルト思想と宮崎駿との共通点

「不思議」を大事に書いているイギリス留学中に児童文学者であるベティ・モーガン・ボーエンに師事した、という梨木香歩、本作はタイトルに「魔女」とうたっていることもあり、いくつかの不思議が描かれているのだが、それらが漫画やアニメの「魔法少女モノ」のように明確でなく、大事にぼんやりと描かれている。おばあちゃんのおばあちゃんが結婚する前のこと、まいのお気に入りの「場所」での奇妙な声、同じ場所での美しいビジョンなどだ。これらはまいの体験としてはどうとでも取れる。それはスターウォーズの「フォース」やハリーポッターの便利ツールとしての魔法とは明確に違う。生活の中で自然を共有し、自分を律して正しく生きようとするものが感じられるサイン、という程度だ。児童文学として考えても「このように生きて立派な大人になってほしい」という作者の願いが汲み取れる。また、「不思議」がおこるタイミングがまいが実社会の常識、思想、...この感想を読む

4.04.0
  • ゆっきーmk-2ゆっきーmk-2
  • 572view
  • 2118文字

中一の少女まいと、その祖母のふれあいの日々

先に、映画化された方を見ていて、とても美しい映像が多く、好きな映画なので、原作はどうなのだろうと、楽しみに手に取りました。結果、とても忠実に映画化されていたことがわかり、頭の中で、美しい光景が広がり、大変満足のいく作品でした。いつか、セットのある、山梨県の清里高原を訪ねてみたいと思う程に。「群れる事」をしなかったため、いじめの対象になり、学校に行けなくなった、中学一年生の少女、まい。その後、彼女は、母方の祖母の家に約1ヵ月間預けられ…引っ越しをきっかけに、両親の元に戻り、2年後、祖母が死んで、預けられた1ヵ月間を思い出す…というストーリーだけれど、こんな素敵なおばあさんとの生活なら、きっと楽しいだろうなと思いました。ラストも素敵です。きっと、おばあさんは、まいが、ヒメワスレナグサと呼んでいた花を大事にしていたのを知っていて、大事にしてくれていたのだろうと。そんな優しいおばあさんの魂は、...この感想を読む

5.05.0
  • ぱきらぱきら
  • 161view
  • 452文字

自分らしくって何?と考えさせられる作品

一見衝撃的なタイトルですが、とてもハートフルで、人間味にあふれた作品です。祖母の死の知らせを受けた少女が、以前不登校になったときにイギリス人である祖母の元ですごした時間を振り返るという設定のお話です。祖母は田舎で、畑を作り、鶏を飼い、自然とともに暮らしている人なのですが、学校生活になじめなかった少女に、都会のあくせくした暮らしとは違うライフスタイルをごく自然に伝えて生きます。同時に、自分の家系は魔女の家系であることを伝えます。この物語の魔女は、ファンタジーなどに出てくる魔法使いとはイメージが違い、魔法を使ったり、箒で空を飛んだりはしません。草木とともに暮らし、自分の心を制御する力を養い、自分らしく生きていく中で、現代人が遠い昔に忘れてしまった『不思議な力』ともいうべき直観力を取り戻した人のことを指します。その教えに従い、自分で決めた生活リズムを守り、自然に触れ、生活力をつけていく少女。...この感想を読む

5.05.0
  • 月読三葉月読三葉
  • 138view
  • 763文字

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