捜査もしていますよ、もちろん。でも刑事の仕事はそれだけじゃない。事件によって心が傷つけられた人がいるなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手立てを探し出すのも、刑事の役目です。
加賀恭一郎
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新参者は、2009年9月に講談社より出版された小説で、「2010年度版 このミステリーがすごい!」と「第33回週刊文春ミステリーベストテン」において1位を受賞し、高い評価を得た作品である。作者は、名著『容疑者Xの献身』『白夜行』の東野圭吾で、刑事・加賀恭一郎が登場する作品としては、『卒業』『どちらかが彼女を殺した』などに続き、8作目の作品である。 日本橋・人形町の一角で発見された女性の死体。誰もから良い人だと慕われていた彼女が殺された理由は何なのか。警視庁日本橋署に赴任したばかりの刑事・加賀恭一郎が未知の地での事件解決に努める。真実を探りながらこの街を歩き、様々な人に出会った加賀。その出会いはいくつもの小さな事件の解決につながり、のちにこの大きな事件の真相にも深くかかわっていくこととなる。 この作品は、『トリック』や『HERO』の阿部寛を主役・加賀役にドラマ化され、2010年4月から放送された。
某有名レンタル店でDVDランキング上位にこの映画があったので、それを先に見ました。そこで見て、初めて東野さんの作品だと知って、ガリレオを思い出しましたが、ここに出てくる主人公の刑事さんは全く性格が違うんですが、個性的で愛すべきキャラで、好きです。内容は、日本橋署に新参者としてきた加賀刑事の物語です。そして、事件を解決するために加賀刑事が動いているときに言ったことばが好きです。「事件によって心が傷つけられた人がいるのなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手だてを探しだすのも、刑事の役目です」 こんな言葉、他の刑事ものや作品で聞いたことがないです。東野さんの人間性も出ているような気がして、大好きです。ハッピーエンドなのも良いです!
刑事モノだけど荒々しくない、読んだ後に爽やかな気持ちがする物語。主人公の鋭い観察眼と深い洞察力に感嘆しました。ドラマも見ましたが、やはり本で読むと細かい描写もあるので面白さもひとしおです。何の変哲もない普通の街で起こる殺人事件。意外に絡み合う人間模様。それを見つめる一人の刑事。派手な銃撃戦やハラハラの犯人との駆け引きもないけれど巧みなシナリオで惹きつけられます。ごく普通の人物が、あっけなく事件の犯人や被害者になってしまう怖さも感じましたが・・・全般的におどろおどろしさはなく、もっともっとシリーズで読みたいと思わせてくれる作品です。
下町日本橋に赴任してきた刑事が、現場を歩き回りながら事件を解決していく。現場主義の一人の刑事が主人公。ある一つの事件をオムニバス形式で描き一見関係のなさそうな事件が短編で綴られていくが、それぞれが最後に一つに結びつく。短編であるからミステリー要素はそう複雑ではないが、絡んだ人間と事件の謎がどれも面白い。第9章の最後にうまく結びついていく点もなかなかうまい。ミステリー要素に加え、人間模様もまた魅力である。ドラマ化されたようだが(見てません)、確かにドラマ向きの小説かもしれない。ドロドロした事件や凶悪な事件に関わるような刑事の話ではないが、こんな刑事がこんなペースで事件を解決していくのも面白い。ちょっと違った視点から事件を見てみるのも良い。
よみがな:かが きょういちろう ニックネーム:恭さん 性別:男性 国籍:日本国 所属:日本橋署 性格:情は深いが冷静沈着 特徴:長身で肩幅が広くがっしりした体型。彫りの深い顔立ち 趣味:茶道、クライシックバレエ鑑賞 特技:剣道 好きな食べ物:蕎麦、人形焼
よみがな:まつみや しゅうへい 性別:男 国籍:日本 住まい:東京都 所属:警視庁捜査一課 性格:情に厚く、真面目 特徴:加賀恭一郎の父、加賀隆正を敬愛している 家族:母・克子と二人暮らし 尊敬している人:加賀隆正 加賀恭一郎との関係:従弟
加賀恭一郎
自分のせいで被害者が殺されてしまった、と深い後悔の念に苛まれている被害者の友人に対し、被害者がその友人に対し、どういう想いを持っていたのかを調べ、被害者の友人に伝えた