ヒガシくんのタタカイの評価
ヒガシくんのタタカイの感想
こんな息子がいたらな…と思いました。
両親が離婚し、父子家庭になり、父が再婚し、新しい家族ができ、超わがままだけど、可愛い彼女もできる…ジャニーズ系の顔で、育ちの良い、男子校の生徒…それがヒガシくんです。波乱万丈な人生になるのかと思いきや、淡々とヒガシくんは生活して、大して酷い事も怒らず、しいて言えば、女難の相があるのか?と思う位、彼女に振り回されているけれど、それにも大してダメージは受けていない。何とたたかっているのか?と思ってしまう内容なのです。新しい家族とも、なんとか上手くやっていけているように見えるし、とってもいい子で、読んでいて、ほのぼのしてしまいます。私が親だったら、こんな息子がいたら、自慢だろうな、と思いました。しかし、彼は、何とたたかっていたのだろう?やはり女難くらいしか思いつかない…です。
タタカイはどこにでもある
ヒガシくんは良い子だな・・・同じく息子を持つ母として思います。粗野なところが無く、常識もあり穏やかで優しいいまどきの男の子。そんなひがしくんのタタカイ。多くの場合、子供は親も家族環境も選べない立場です。子供は与えられた場所で生きていくしかなくて、その中でいろいろなものと戦っているんだと改めて感じました。大人(親)は身勝手なものです。その身勝手さを標本のように見せられた気がして、自分はどうだろうと思わずにはいられませんでした。群ようこさんの作品には必ずといって良いほど動物(ペット)が出てきます。そのペットも、わが家の愛犬と重なって、親近感をもちつつ読みました。どこにでもありそうな家庭の事情とそのなかで育っていく子の心をふんわりとソフトに描いたお話です。