シェエラザードのあらすじ・作品解説
シェエラザードは「鉄道員(ぽっぽや)」などを代表作にもつ日本の小説家、浅田次郎の長編小説である。 東京中日スポーツで1996年10月22日より1年間連載された後、1999年12月に講談社から上下巻に分けて刊行され2002年12月に文庫化された。 太平洋戦争中の1945年4月1日にシンガポールから日本に向けて航行中だった貨客船「阿波丸」がアメリカ海軍により撃沈され乗客者がほとんど死亡した阿波丸事件事件を基にした作品で、過去と現代の2つの視点から太平洋戦争中、台湾沖に沈んだ弥勒丸の沈没の真相と人間模様が描かれている。過去では弥勒丸の沈没、現代では弥勒丸の引き揚げに関わろうとしたものが殺されていく事件を描いている。 2004年7月31日にNHK総合及びNHKハイビジョンでドラマ化されたものが放送され、反町隆史、小澤征悦、長谷川京子、伊武雅刀らが出演した。なお、2006年5月4日には再放送された。ドラマ版は一部登場人物がカットされるなど、原作とは違いがある。
シェエラザードの評価
シェエラザードの感想
シェエラザードという交響組曲を聴いてみるとよいかもしれません
この小説は実際にあった阿波丸事件をモチーフとして創られたらしいです。私は寡聞にして全く知らなかったので小説の題名に惹かれて読み始めました。シェヘラザードという曲や千夜一夜物語自体あまり詳しくは知らなかったので、知っている人はもっと楽しめるのかなと思います。現在と過去が交錯する物語の展開はありふれた手法ではありますが、この物語には合っていると思います。徐々に弥勒丸がどういう船でどういう人が乗っていたのかが明らかになっていくにつれて、物語に引きこまれていくます。弥勒丸は沈んでしまうとわかっているのにこの先どうなってしまうのかが気になり、直ぐに下巻へ行ってしまいました。