火車の感想/考察/ネタバレ

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小説レビュー数 3,368件

火車

4.804.80
文章力
4.63
ストーリー
4.75
キャラクター
4.50
設定
4.88
演出
4.63
感想数
5
読んだ人
18

火車の感想一覧

宮部 みゆきによる小説「火車」についての感想が5件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。

『他人』の魅力

宮部みゆきは人間を丁寧に書く作家だと思う。その丁寧さゆえに、その作品が書かれて何年経ったあとでも、読み手は登場人物を身近に感じ、親近感を抱くことができる。この作品は、その宮部みゆきの人間を書く手腕が最大限に生かされた作品だ。一人の会ったこともない女性を追うところから話が始まるが、その女性に関する情報を集めていくうちに、主人公とともに読者も、その女性のディティールに対して疑問を覚え始める。情報を集めていけば、頭の中だけでも特定の人物像が出来上がるはずなのに、女性の像は固まらないどころか余計にバラバラになって拡散していく。そうやって疑問を抱えながら、女性を追う過程がとても面白い。現実的な社会問題をベースとしながらも、『突き止める』というミステリー本来の楽しみを忘れない素晴らしい作品だ。最後のシーンも、あの部分で終わっているからこそ、読み終わったあとに広がる余韻がいい。善と悪、そう簡単に二つ...この感想を読む

5.05.0
  • 140view
  • 425文字

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