黒祠の島のあらすじ・作品解説
黒祠の島は、小野不由美の長編ミステリ作品である。大分県中津生まれであり「東京異聞」が1995年「日本ファンタジーノベル大賞」最終候補作品となり話題となった。2013年「残穢」では山本周五郎賞を受賞した。 2002年「本格ミステリ大賞」最終候補。2001年「本格ミステリベスト10(2002年版)」第3位を獲得している作品である。 2001年2月祥伝社ノン・ノベル、2004年6月祥伝社文庫、2007年7月新潮文庫から販売された。 式部剛は、調査事務所を営んでいたがある日、懇意にしていた作家の葛木志保の姿を追い求め、近代国家が存在を許していなかった「邪教」が伝わる夜叉島に足を踏み入れてしまう。 夜叉島の住人は、よその地からやって来た人を邪険に思ってることから、葛木志保の行方の調査をうまく進めることができずにいた…。夜叉島は、死の匂いに満ちており、過去に夜叉島で何が起こったのか…その闇の主が何なのか…真実とは…。
黒祠の島の評価
黒祠の島の感想
島って怖いな~
小野さんとても好きな作者の方ですが、ちょっと私には難しいので、いつも何となく読んでしまいます。この黒祠の島も最初はワクワクして読んでいたのですが、途中から非常に難しい宗教話になってしまいちょっと遠い目になってしまいました。 でも、ものすごく詳しく何でそんなこと知ってるの?っていうくらい細かくて(作家だからあたりまえなのかもしれないけど)、というかマニアだよなって思います。本当すごいです! 島っていうと、私たちはホッと癒され、のんびり自然を満喫できる場所って思ってますが、もちろんそういうところもあるだろうけど、結構その土地のきまりだったり、信仰があって、住んでる人の結束がものすごく強かったりと、島という一つの国では色々あるよなあって思って、ちょっと近寄りがたいところかもって思ってしまいます。 もちろん、殺人なんかはないと思うけど・・・・。それにしても殺され方が残酷で怖かったです。 何より、...この感想を読む
離島での惨劇
黒祠・異教を崇拝する、とある離島にからんだストーリー。現実でも、禁教であった時代に密かに進行し続けるうちに、少しずつ土着の信仰と混ざったりしつつ変容したという話は聞く。そういうものに取材し、小野不由美らしさを盛り込んだ、ホラーミステリー小説。登場人物が多いのは、小野不由美特有だ。様々な人の人生を重ねて行く上で、物語にも奥深さが出てくると思う。どこか現実で起こっていそうな……と、そう思ってしまうのは、この奥深さが所以なのだろう。同じく閉鎖的集落で起こる事件を描いた「屍鬼」には劣るが、あちらは超長編だからか。最後のどんでん返しは驚いたけれど、再び読むと色々ヒントが。この読み返しもミステリーの醍醐味なんだろう。