残酷な神が支配するの評価
残酷な神が支配するの感想
子どもにとっての親の在り方を問う衝撃作
動悸がおさまらぬ展開は風化せず昭和っぽいというか、目が輝きすぎで綺麗なような怖いような人物像の絵。説明は多いし、言葉だらけだし、真っ青になった顔のイラストがいかにもな感じの漫画。これは平成生まれの世代には受け付け難いかもしれないが、この物語はそれでも目を通したほうがいいと思うくらい、衝撃が走る。読みたくないくらいに忌々しく、切なく、読み終わったらしばらく何も考えたくないと思うくらいの虚無感…すごい、としか言えない。ジェルミはどうやら人殺しをしてしまったらしい。そこから始まった物語は、そこに至るまでを丁寧に描いていく。ジェルミの母親サンドラが再婚したグレッグ。彼は異国の仮面の下に少年への性的虐待を快楽とする異常な本性を隠していた。迫りくるグレッグの恐怖、拒絶しても絶対につかまり、身動きをとれなくさせられ、何かがあればサンドラに言ってもいいのかと脅しにかかる。その卑劣さは、はらわた煮えくり...この感想を読む
いつでも悪いのは先に生まれた大人である
ちょっと苦手な画風なのにインパクト最強正直、苦手だったんですよね、こういう「マリア、君はなんて美しいんだ…!」みたいなぞわっとするセリフを平気でぶちこんでくるとか、とにかく言葉が多くて説明が多いのとか、人物が美しいんだかキモいのかわからないのとか。とにかく似たような画風の外国感あふれるものが受け付けないと自分では思っていました。それが、まさかこれほどインパクトを受けて、読み終わったあとにしばらくフリーズするくらい、揺さぶられるとは思いませんでしたね。話の始まり方も変わっていて、すでにジェルミが何らかの方法で人殺しをすることが示されている。それまでの過程を描いていくんだな、ということがわかる。あまりにジェルミが酷な状況におかれ、どうしようもなくなっていったとき、どうかグレッグを殺すことを許されて欲しい…そういう気持ちになっていく。そして実際に事が起こった後、今度はその息子との関係性が始ま...この感想を読む
なんとなくブルーになるストーリーです
日本が舞台ではないせいだけでもないのでしょうけど、普通のまんがとか怖いまんがかなと思って読むとそうでもなくてボーイズラブというほど美しくもなくどちらかというと気分が悪くなるかもしれません。主人公は男の子で義父に性的虐待を受けていくけれど、それを誰にも言えずにどんどんエスカレートして最終的には義父を殺害計画を建てるけど予定が狂って自分の母親も一緒に殺してしまうことで精神的に病んでしまって泥沼化していきますが、それでも今後どんな風になっていくのか気になって次を読んで行きましたが、結局よくわからないような最終回でした。タイトルの意味はたぶん死んでもなお幻覚となって現れる義父に支配され続けるということなんでしょうけど、神と呼ぶのはなんなのか・・・とにかく義父にレイプされる姿や暴力を振るわれる描写がなかなかきついですね。第一話で義父を殺害したことを匂わせるところから過去をさかのぼっていく話なので...この感想を読む