此処 彼処の評価
此処 彼処の感想
自伝的な、場所にまつわるエッセイ
シンプルな装丁が気にいって、手に取った一冊です。日本経済新聞(日曜版)の、2004年1月4日~12月26日まで連載された、著者の自伝的な、連作のエッセイ集です。本の中で、彼処から此処に至るまで、1月から12月までのそれぞれ3,4編の短編を読み、作者の「場所」への想いを読んでいく、長い旅のようなエッセイです。同じペースで、同じように面白い話がずーっと続く…感じでしょうか。最後の方にある、「日進町」で、取り上げていた、「五色園」のホームページを見たら、まさに著者が言っているように、大きなお坊さんの像がありました。画面上では、本当に人間みたいなので、遠目からだと、著者のように見間違える事もあるだろうなと思いました。そこにかけこんでは、癒される著者を想像すると、私も、(塑像の)お坊さんの頭をぺこりと撫でてみたいな…と思いました。