まひるの月を追いかけての評価
まひるの月を追いかけての感想
別次元の恋
冷えた爆弾異母兄弟の兄がまさか自分の母親に恋情を抱いているなんて夢にも思いません。いきなりですが、読み終えてまず言いたいことを言わせてもらいました。血縁上は赤の他人ですから、まったくもって問題ないのでしょうが、実の娘としては心中穏やかではないですね。年齢差はいかほどか、と素直な疑問を抱きますし、普通の恋心では片付けられない精神的な結びつきを指しているんでしょうが、男女の仲とは摩訶不思議だなあと主人公の心中をお察しします。会話の中でほんの少し出てくる人物がまたしてもラストに爆弾と化す。お決まりのパターンですが一向に慣れません。二人の女性の死がショッキングですし、注意をそちらに引きつける構成になっているため、まさか主人公の母親とは。すっかり騙されました。妙子は彼は主人公のことが好きなのだと予想します。その言葉もなかなか衝撃的で、私はいろいろな思考を巡らせました。異母兄弟ということは半分血を...この感想を読む
旅に出たくなるような
非日常へ向かうとき腹違いの兄の消息を追う為、 その恋人である1度しか会ったことのない年上の女性とともに新幹線のホームで落ち合う主人公の静。読んでいても、他人との窮屈な旅が始まる前の、居心地の悪さと日常からの離脱への期待が入り混じったような気持になります。サラリーマンの経験があれば誰しも、新幹線での二人の会話や情景に共感できるのでは。作品全体に漂っている、なんとなくどんよりとした空気はここからすでに醸し出されている感じ。挿入された寓話の意味ストーリーが進むにつれて、たびたび挿入される寓話。正直無くてもほとんど影響ない部分かと思われますが、全体的に灰色の薄暗いイメージで進行していくストーリーの、オアシス的な箇所となり、そこだけ読むペースが上がりました(笑)「月のうさぎ」のお話については、私は研吾とは正反対の感想を持ちました。それだけ、研吾が周囲の人の事ばかり考えて生きてきたということなので...この感想を読む
火曜サスペンス劇場で見てみたい。
失踪した異母兄を探しに、妹と兄の彼女が奈良を巡る旅情ミステリーといったところでしょうか。ただし、「殺人事件を解決!」とかいう内容ではないので、ミステリー色薄いです。さして盛り上がりも少なく、ラストも予想できる結末でした。登場人物も魅力に欠けたので、正直イマイチな内容でした。しかし、飛鳥・山辺の道・奈良公園・法隆寺など奈良の歴史深い場所を散策する旅が軸になっているので、その描写をイメージすることができました。私は奈良は行ったことないので、観光案内のような感じで雰囲気を楽しむことができました。できれば、奈良の風景を実際に見たいので、火曜サスペンス劇場とかで映像化されないかな〜、と密かに思ってます。