グラスホッパーの感想/考察/ネタバレ

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小説レビュー数 3,368件

グラスホッパー

4.254.25
文章力
4.38
ストーリー
4.00
キャラクター
4.25
設定
4.50
演出
3.88
感想数
4
読んだ人
14

グラスホッパーの感想一覧

伊坂 幸太郎による小説「グラスホッパー」についての感想が4件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。

3人の殺し屋達の正義を描くミステリーの魅力

結局ハッピーエンドなのか?グラスホッパーに出てくる三人の主人公のうち2人は作品中に死んでしまう。生き残ったのは鈴木だけである。この三人の主人公の名前も皆生き物の名前になっているあたりも伊坂の小説の遊び心を感じる(鈴木は魚のスズキ)。結局鈴木は自分の悲願であった会社への復讐を一応は果たしたこととなる。フロイラインは事実上壊滅した。最後のシーンでは家庭教師の営業を偽った家の兄弟と再会している。この描写から過去のしがらみと別れる鈴木の心情が読み取れる。これによって鈴木が過去の妻のための復讐から自分のために人生を送れるようになったっことも読み取れると考える。つまりハッピーエンドといえると思う。この作品には多くの亡霊が出てきて生きている人間を苛ませる。鯨や蝉も亡霊に苦しんだ。亡霊とは過去への後悔や懺悔の気持ちのことであろう。亡霊から解放されたときに本当に自由に生きれるというのはこの作品に共通するテ...この感想を読む

4.04.0
  • じゅんくんじゅんくん
  • 112view
  • 1051文字

グラスホッパーと仲間たち

梶の秘書を追い詰めるシーンについて梶の秘書の追い詰められた理由が、現実にもありそうだと思いました。自殺専門の殺し屋が現実世界に存在し続けているのかもしれません。大物政治家の秘書が自殺するということはわりと昔は結構あったみたいですが、現代版だと、研究論文結果を偽り全世界に批判を受けて、なんとも研究者としてあるまじき発言を記者会見でしたり、挙げ句の果てに出家なんかまでした彼女がぱっと浮かびました。彼女の共同著者だった彼は自殺に追い込まれました。「誰かが責任を背負って自殺するというやり方はそれなりに効果がある」確かにそうだと思いました。連日騒がれていた事件もそちらの話題で持ちきりになりますから。殺し屋の実在有無はおいておいても、罪を犯した本人の代わりに人が自殺するんだから本人は心を痛めてるだろうと今まで思っていたけれど、実際は違うのかもしれないです。これで非難が収まる。面倒くさいことから逃れ...この感想を読む

4.04.0
  • robinrobin
  • 214view
  • 1183文字

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