はした金じゃ、買えまいがの。
川本松江
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二十四の瞳は、壺井栄による小説。1952年に発表された。 舞台は1928年の、瀬戸内海べりの一寒村。女学校の師範科を出たばかりの大石久子は、村の分教場に赴任することになった。自転車に乗ったり、洋装で出勤するなど、島の大人からは「ハイカラだ」と敬遠されていたが、受け持ちの子供たちは彼女によく懐いていた。その後、第2次世界大戦による悲劇や苦難が、成長した生徒たちと大石を襲う。 著者の壺井も戦争を経験した一般庶民であり、戦争が与えた悲劇が描かれた作品として、いまでも広く読まれている小説である。 壺井が香川県小豆島の出身であるため、原作には特に地名などは登場しないものの、舞台として小豆島があげられるようになった。後に映像化された作品も、ロケ地として小豆島が使われている。 1954年に映画化されて以降、アニメやドラマなど計9回の映像化がされており、近年も2005年に黒木瞳主演で終戦60周年特別ドラマ、2013年にも松下奈緒主演でドラマ化された。
戦前の瀬戸内海の寒村の学校へ赴任した女性教師、大石先生。小柄だから「小石先生」と呼ばれていました。とても元気で、新しい考え方の大石先生は大人には煙たがられるものの、生徒には大人気でした。しかし世の中に不穏な空気が立ち込めだすと、先生と生徒は少しずつバラバラになっていきます。戦後大石先生が教壇に戻り、生徒たちと再会するも、戦争で失明した生徒、戦争や病気で亡くなった生徒もいました。物語の最初の田舎の学校の雰囲気とは明らかに変わっています。しかし貧困や戦争のために、苦難の人生を余儀なくされた生徒たちと大石先生の絆の深さは読んでいて本当に感動しました。
川本松江
旅行の話をしていた時、どんな服を着るか迷っていた。でもセーラー服を買うお金がないので、着物を着ていけばいいんじゃないか?それとも旅行をやめにしようか考えているシーンです。