かげろうは朝水中から羽化して夕方には死んでしまう あと数時間生きていれば夜を見られただろう…僕は愛を知らぬかげろう あと少しこの女性と暮らせる時間があれば… 僕にも理解できたかもしれない 愛を!
ジュリアンソレル
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「赤と黒」は、1830年刊行の、スタンダールの小説である。 ナポレオンの失脚後、1815年から1830年にかけてのブルボン朝復古王政時代における貴族社会の腐敗ぶりを、貧しい木こりの子として生まれたジュリアン・ソレルという主人公の復讐劇を通して描いた、フランス文学の傑作である。 小説のタイトルについては、赤は軍人の服の色を現わし、黒は聖職者の服の色を現わしていて、軍人と聖職者になって貧しい身分からの出世を試みた主人公を象徴しているという説がある。また、ルーレットの盤上の色を現わしていて、主人公のイチかバチかの人生を象徴しているという説もある。 1830年には7月革命が起こり、復古王政は崩壊することになるが、階級闘争を通して人物を描写するという本作品の手法は、リアリズム小説という新しい分野を開拓することとなった。 1928年と1954年には映画化され、1993年と1997年にはテレビドラマ化もされている。
フランス文学を語る上で、この「赤と黒」を除くわけにはいかないでしょう。とは言っても、簡単に言ってしまえば野心家の青年が年上の女性と不倫して、見つかって逃走。次にであった良家のご令嬢と子供ができちゃって、結婚しようにも親は反対。身元照会の手紙を受け取った年上女性からは「女を出世の踏み台にしている」と暴露され、逆恨みで射殺未遂。自分は捕まって死刑という、ただそれだけの話なのです。人間あんまり欲出すと、結果いいことないよねという教訓にも思えますが、それはちょっと穿った見方であって、やはりフランスの偉大な恋愛小説というのが一般的な見方なのでしょう。新潮文庫の「赤と黒」はわりと読みやすい翻訳でしたのでおススメです。
ジュリアンソレル
自分の出世を拒もうとした元彼女を、銃で殺害しようとした罪で死刑になる主人公。死刑になる直前に本当の愛に気づいたシーン
シャルルドボーボワジ
ジュリアンが恋の悩みに相談に来たときに、アドバイスをするシーン