輝く夜の評価
輝く夜の感想
聖なる夜の奇跡
現代の女性を励ますシンデレラストーリー『魔法の万年筆』の主人公である女性・恵子の、状態の優れていない会社に長年務め、未婚のまま年齢を重ねた、という設定はきわめて現代的である。そんな女性が不幸のどん底に叩き落とされ、突然の奇跡によって幸せになるというのは、とても分かりやすいシンデレラストーリーだ。これは、現代の働く女性を中心としたストレス社会に蝕まれている人への希望の提示に思える。本の最初に収録されている『魔法の万年筆』は特にそれが分かりやすく顕著に記されていたが、他の収録作品においても、シンデレラストーリーの主人公となるには十分なほど不遇で、かつ現代社会にも通じやすい設定を抱えた女性という点は共通している。これらの物語ほど極端な幸と不幸はないかもしれないが、人生そんなに嫌なことばかりじゃないよ、きっと良いことあるよ、という作者の優しい思いが文面から伝わってくるようである。希望を描くとい...この感想を読む
輝く夜
五つの短編で構成されています。全部の話がハッピーエンドで終わるので、読後感はとてもいいです。百田尚樹さんの本を読むのは「永遠の0」「モンスター」と三冊目ですが、短編というのもあってすごく読みやすかったです。第3話は一番印象に残っています。最初は末期のがんで助からない主人公が急にがんが消えて助かってしまう。人生もどんどんうまくいって、最後には初恋も実ってたかもしれないと、残念だけどいい人生を送れてよかった。で、終わると思ったらどんでん返しだったので、思わず「えっ」と言ってしまったほどです。あの短い枚数で、人生を終わらすまですごくうまく書かれてあるなぁと思いました。