永遠の0の感想一覧
百田 尚樹による小説「永遠の0」についての感想が6件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
永遠の0
本作はデビュー作とは思えないほど物語がよく描かれていて、戦争を知る人も知らない人もスムーズに物語に引き込まれていく作品です。終戦を目の前にして特攻で亡くなり、「臆病者」呼ばわりされていた主人公・健太郎の祖父・宮部久蔵という人物がいかなるものかが、読み進めていく内にだんだんと見えてきます。その深みある人間性が判明した途端に涙が流れてしまいました。また、戦争の歴史を知るのにも役立つ一冊で、より歴史を知りたいという衝動にかられてしまいます。戦争を描いた物語で、戦艦や武器の話も多いが、男性のみならず女性が読んでも十分に楽しめる作品だと思います。宮部が妻と娘に対する愛の大きさに大変な感動を覚え、涙が止まらなくなりました。
戦時中のことを考えさせられます
戦争について、改めて深く考えてしまいました。 タイトルに惹かれてなんとなく買った文庫本でした。しかし、買ったまますぐには読まず、本棚に並べておいたままでした。 あるとき、この本が100万部以上売れたというニュースを見て、本棚から取り出しました。 読み始めたら、最初から最後まで勢いに乗ってすぐに読み終えてしまいました。自分でもびっくり。 戦争で死んだ実の祖父の姿や、戦争で死ぬことが普通で、それが名誉なことだとされていた当時の日本が描かれていて、考えるべきことが多くありました。 わたしは戦争とは無縁の世代で、知識も浅いですが、当時のことを考えると胸が苦しくなりました。
戦争を知らない人たちみんなに読んでほしい
最近本を読んで泣くことがなかったのですが、ひさしぶりに泣いてしまいました。戦争で亡くなった祖父を、孫の健太郎が祖父と関わった人たちに聞いていく。祖父の生き様を聞いていくうちに健太郎自身にも変化がおきていく。それぐらいのすごい生き様でした。戦争をしらない私にとって、戦争の現実を読むというのは衝撃でした。何百万人が亡くなり、その方たち一人ずつに家族がいたという悲しい事実。胸がしめつけられました。祖父の宮部久蔵が、健太郎と同じ26歳の若さで亡くなったと知ったときには、その若さでの思慮深さに感動しました。読み終わって、タイトルの「永遠の0」の意味が分かった気がします。
日本人必読の感動の本です
現代の若者が、自分の祖父の過去について調べることによって、戦争時代の祖父の意外な素顔が見えた、というストーリーなのですが、意外なラストにびっくりすると同時に、じわじわと迫る感動のある物語でした。第二次世界大戦中の話がたくさん出てきてきますが、日本の戦闘機がいかに優秀だったか、いかに当時の軍人が優秀で高潔だったかを感じる事ができます。特攻隊の話などは、よく映画やテレビで見ていましたが、この物語のような取り上げ方は、初めてで、新鮮な驚きでした。主人公の祖父は、戦闘機に乗っていますが、臆病者と言われていて、敵から逃れる事ばかり考えています。でもそれには深い理由があり、それがラストの感動へとつながっていきます。久々に、ページをめくるのに忙しく、次が気になってしょうがない、という本でした。若い人含めて、日本人必読の本だと思います。
プロローグの2行で...
「プロローグの2行からこの小説に引き込まれた!!」何も知らずに、ただ世間で話題になっていたから買った。そして、読みはじめてみて、冒頭の2行から衝撃を受けた。「永遠の0」をいうタイトルからは想像していなかった言葉が目に飛び込んできたからだ。「あれはたしか終戦直後だった。正確な日付は覚えていない。しかし、あのゼロだけは忘れない。悪魔のようなゼロだった」ボクは零戦を知っていた。でも、「ゼロ」というタイトルを見ても「零戦」は想像していなかった。つまり、ボクのような平成生まれの世代にとって、一概には言えないが、「零戦」はあまり身近に感していないということだ。しかし、何より、「零戦」を身近に感じるようになった。この本を読んで、「零戦」が好きになった。「アメリカ」を好きになった。私のおすすめの1冊です。
知らないあなたへ 知っているあなたへ
小説「永遠の0」は、非常に素晴らしい作品だと思います。この物語は浪人生活が続き目標を見失った主人公が、血の繋がっていると思っていた祖父に実の祖父のことを聞き、僅かな手がかりを頼りに壮絶な人生を歩んだ祖父の人生を明らかにしていく話。戦争について昔のことだからとかほかの国のことがからと、とくに興味を抱いていなかった私に衝撃的な話でした。この物語はフィクションですが、実際にこの物語のように戦争を経験した人々は今も生きています。経験した本人からしたら語りたくもないほど苦痛な経験かもしれませんが、その苦しみを現代の戦争を知らない世代に語り継いで欲しいし聞きたいと思いました。今年中に映画もあるらしいのでその時は是非見たいと思いました。