猫鳴りのあらすじ/作品解説

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猫鳴り

3.503.50
文章力
3.75
ストーリー
3.50
キャラクター
3.50
設定
3.75
演出
4.25
感想数
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猫鳴りのあらすじ・作品解説

猫鳴りは、2007年8月に双葉社より発売された沼田まほかるによる小説で、2010年9月には双葉文庫にて文庫化されている。 沼田まほかるは「イヤミス」(読んだ後にイヤな後味が残るミステリー)の旗手として注目されているが、本作はイヤミスではないようだ。ヒューマン小説とも取れる、今までのイヤミスとは違う内容になっている。 この作品は、待望の子どもを流産し哀しみの中で暮らす中年夫婦の元に一匹の仔猫が現れ、夫婦に寄り添うという内容。猫には不思議な存在感があって、まるでこちらのすべてを見透かしているような気さえおこさせる。そんな猫も20年の歳月が過ぎ、最後の日々を迎える。濃密な文章力で、生きとし生けるものの心の奥底を描きだした傑作である。 沼田まほかるらしく登場人物の抱える闇は深いが、ホラーやサスペンスだと思って読むと裏切られる。本書は、動物とともに暮らすことで浄化されていく人間を描いた物語なのだから。要所要所で描かれる猫のしぐさや動きにも注目したい。

猫鳴りの評価

総合評価
3.503.50
(2件)
文章力
3.753.75
ストーリー
3.503.50
キャラクター
3.503.50
設定
3.753.75
演出
4.254.25

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