輝く夜の評価
輝く夜についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
輝く夜の感想
聖なる夜の奇跡
現代の女性を励ますシンデレラストーリー『魔法の万年筆』の主人公である女性・恵子の、状態の優れていない会社に長年務め、未婚のまま年齢を重ねた、という設定はきわめて現代的である。そんな女性が不幸のどん底に叩き落とされ、突然の奇跡によって幸せになるというのは、とても分かりやすいシンデレラストーリーだ。これは、現代の働く女性を中心としたストレス社会に蝕まれている人への希望の提示に思える。本の最初に収録されている『魔法の万年筆』は特にそれが分かりやすく顕著に記されていたが、他の収録作品においても、シンデレラストーリーの主人公となるには十分なほど不遇で、かつ現代社会にも通じやすい設定を抱えた女性という点は共通している。これらの物語ほど極端な幸と不幸はないかもしれないが、人生そんなに嫌なことばかりじゃないよ、きっと良いことあるよ、という作者の優しい思いが文面から伝わってくるようである。希望を描くとい...この感想を読む