サロメの評価
サロメの感想
妖しい雰囲気
オスカー・ワイルドの代表的な作品のひとつですね。まず、なんといっても本の装丁の絵が作品の雰囲気を醸し出します。ピアズリーが書いた挿絵もすべて掲載されており、作品の雰囲気がとてもつかみやすくなっています。シェイクスピアなどの戯曲の翻訳でも知られる福田恆存の訳書なのですが、旧仮名遣いで書かれています。たしかに多少読みにくい部分もあるのですが、私の場合は問題なく読み進めることが出来ました。サロメをはじめかなり激しい人間たちが織り成す、濃厚で狂気に満ちた愛の物語は名状しがたい名残を残します。また、地に染まったような赤い月の描写など物語をふくらませる描写もさすがオスカー・ワイルドだなと感服しました。