女子高生が先生を嫌う理由は、正当なものから不当なものまで、少なくとも煩悩の数よりは多くあるだろう。
杉村三郎
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名もなき毒の名言集です。現在5件が登録されています。
杉村三郎
事件の遺族である女子高生が、気持ちを整理するために書き物をしたら良いとすすめた杉村の元へ「先生は嫌いだから」と訪れた際の杉村の思い。
今多嘉親
嘉親が事件の遺族である女子高生の無力感を思い、彼女をサポートする立場である杉村に伝えた言葉。
杉村三郎
小説終盤、杉村が人間そのものが毒(恐怖)であるとの考えに達し、我々の内にある毒に抗う術を知りたいという思いの中の表現。
杉村三郎
トラブルメーカーの原田いずみが電話越しに叫ぶのを杉村が聞き、かえって落ち着いてしまった際の心理。
杉村三郎
実の父に説教癖があり問題の焦点がズレることもあった過去から、聞き流してしまう技術を身につけた主人公が、義父のとの会話の中で感じたもの。
最近ドラマ化された宮部みゆきさんの小説です。私は地元地方紙で連載されている時に初めて読みました。その時は、「こんな理由で無差別殺人なんてする?」と感じたのですが、現実に目を向けると、世の中には、理由のわからない(当人にとっては重い理由があるのでしょうが)殺人事件があふれています。そう考えると、うすら寒いような地味な怖さを覚えます。物語としては、人のいい編集者が異常なまでに被害意識の強いアルバイト女性の対応をするラインと、小さなコンビニを舞台に飲み物を買って飲んだ人が毒殺される連続無差別殺人事件の容疑者となった被害者の娘と孫娘が真実を追うラインの2本からなり、交わったり離れたりしながら、クライマックスへと続いていきます。わけのわからない怒りに駆り立てられ、人を傷つけ、決して友情を築けずトラブルばかり起こす女性。そして、人生の虚しさに駆り立てられ無差別殺人を起こす青年。まさしく、現代の闇そ...この感想を読む