点と線のあらすじ・作品解説
「点と線」は、1957年から1958年にかけて、雑誌「旅」に連載された松本清張の代表的推理小説である。 1958年には、高峰三枝子、山形勲らの出演により映画化されている。また、2007年には、ビートたけしらの出演によりテレビドラマ化されており、第一回東京ドラマアワードのグランプリと特別賞を受賞している。 料亭「小雪」で働く女性が、夜行特急列車「あさかぜ」に男性と乗り込むところを目撃されたが、数日後この2人は死体となって発見される。ベテラン刑事の鳥飼が捜査に当たり、車内食堂の伝票から一人一人当たっていき、安田という人物を有力容疑者として特定するに至るが、彼には完璧なアリバイがあった。鳥飼は、このアリバイを崩していくことにより、事件を解決に導いていくというストーリーになっている。 松本清張が「旅」という雑誌に連載を依頼されたところから、鉄道を舞台にしたサスペンスに仕上げられ、後の松本清張ブームの火付け役となった作品でもある。
点と線の評価
点と線の感想
一瞬の目撃
初期の松本清張の代表作品の一つとも言われている本編は、古いものであり、この種の時代のミステリにはあまり合わないものもあるのですが、本作は推理小説として楽しめますし、今読んでも悪くありません。海辺で発見された心中死体を捜査していく話なのですが、重要人物の目撃証言が重要な鍵となって大きく物語が展開していくことになります。それは日夜のサラリーマンが通勤などでも目にしていることなのですが、清張はそこから作品につなげるとはさすがだと感じました。ただやはり現代の日本の警察が舞台なので、どこかテレビの刑事ドラマめいた感覚があるのは避けられません。その辺が嫌いな人は読まない方が良いでしょう。