夢売るふたりの評価
夢売るふたりの感想
松たか子さんの、悪い表情が素敵!
「夢売るふたり」を視聴した感想です。見終わった後には、何とも言えない後味の悪さがあり、とても印象に残りました。(後味が悪いと言っても、映画の出来が悪かったという意味では、もちろんありません。)ラストシーンでの、松たか子さんの、「見てんじゃねえよ」と言わんばかりの、投げつけるような視線が特に印象的でした。貫也が収監されてしまった後、玲子の部屋の郵便受けに、札束が無造作に入れられていました。もちろん、里子が返済したのでしょうが、当然夫婦の状態も、里子の人間性さえ、お金を貰う前には戻りません。貫也がいなくなった後、騙されたそれぞれの人々は、皆再スタートを切ることに成功しています。自分の足で立って、人生の舵を切る喜びのようなものが溢れています。しかし、ただ一人里子だけは、暗い目をしています。里子もまた魚市場で一人で働いていますが、決して幸せそうではありません。犯罪に手を染め、夫を失い、生活基盤を...この感想を読む
西川美和監督の世界感満載!
“ゆれる”の時から西川美和監督の大ファンになり、今回の作品も楽しみに拝見させて頂きました。結婚詐欺の話で、阿部サダヲさんを起用していたので、コメディータッチに描かれてる場面とかもあるのかなぁ。と最初は思いましたが、かなりシリアスな内容。そして人間のドス黒さや裏の顔を結構露骨に描かれていたので、胃が痛くなる場面多数です!タイトルの“夢売るふたり”というのは、お金を詐欺で手に入れる変わりに夢を売ってしまったんだなぁ。と見ていて感じました。そして、以前の“ゆれる”でもそうでしたが、ラストはどうなったの!?と視聴側への問題提起で終わります。ん~むずがゆい!!でも、とても面白かったです!!
さすがです
全体を通して感じたのは、人間の(特に女性の)生々しさでした。松たか子さんの演技が素晴らしいです。松たか子さん演じる里子は、夫の浮気をきっかけに結婚詐欺を手引きするようになっていく訳なんですが、まずその浮気を追及するシーン。相当怖いです。。それから、結婚詐欺を繰り返していく内に、夫とは何かがずれていってしまうんですが、そんな中、時折見せる目に光のないうつろとも何とも言いがたい表情にはぞくぞくしました。また、2人がだましていく女性たちのエピソードがいくつかあるんですが中でもウェイトリフティングの女性のエピソードが印象的でした。重たい内容なので、観た後はかなり気分がどんよりしますが、さすがだな~と思わせてくれる素晴らしい映画だったと思います。