真夜中の弥次さん喜多さんのあらすじ・作品解説
真夜中の弥次さん喜多さんは、十返舎一九の戯作である「東海道中膝栗毛」を題材とした、しりあがり寿原作の漫画作品を「ピンポン」や「木更津キャッツアイ日本シリーズ」などの監督を務めた宮藤官九郎が初監督の日本の映画作品である。 ワイルドで熱い男、弥次郎兵衛(弥次さん)とヤク中の役者、喜多八(喜多さん)の二人はディープに愛し合う恋人同士であったがある日、弥次さんが悪夢を見て飛び起きると、喜多さんが虚ろな目で注射器片手に震えている。「弥次さん、...オイラ、現実(リヤル)がとんと分からねえ」折しも長屋にはお伊勢さんからの”リヤルは当地にあり”と書かれたDMが届く。喜多さんのヤク中を治すため、そしてリヤルを探すため、お伊勢さん目指して弥次さんと喜多さんの東海道の旅が今、始まるのである。リアルと幻覚が入り混じった独特の世界で繰り広げられ、歌・ダンス・お色気・何でもありのシュールな時代劇コメディー映画である。
真夜中の弥次さん喜多さんの評価
真夜中の弥次さん喜多さんの感想
ぶっ飛び過ぎて見るのも大変
クドカン作品は今までたくさん見ているけれど、「BEST OF ぶっとび」と呼べるくらいのぶっ飛び様。途中でついていくのが大変になるほどに。最初のシーンで、この映画はタダモノじゃない、という雰囲気はヒシヒシと感じたけれど、ストーリーが進むにつれて感じたのは、予想以上だ、ということ。オートバイや女子高生、三途の川のシーンなど、挙げればキリがない程で、やり過ぎ、と何度突っ込んでしまったことか・・・。映画なのか、何なのか・・・。純粋に笑えるコメディーというよりは、シュール感が強いので、ツボじゃない人が見たらドン引きすると思う。キャストがとにかく豪華なのが救われる。
ぶっ飛んだ演出が面白い!
ジャニーズの長瀬智也と歌舞伎界の中村七之助にホモ役をやらせるなんてクドカン凄すぎ!と思った作品です。しりあがり寿さんの原作を読んだことがあったので「これを映像化ってどんだけぶっ飛んだものができるの?」と思ってたら本当にぶっ飛んでました。ヤク中・ホモという設定もそうだけど、中村勘九郎さん(当時)にあんな恰好をさせるなんてビックリです。ぶっ飛んでる作品なんでいろいろ考えながら観なくても大丈夫。本当に「なんだこりゃ!」というのが面白い作品なんで何も考えず頭空っぽにして観たい映画です。クドカンの作品は「ん?」と驚くことが多いですが、この作品はその元祖といっても過言ではないと思います。
リアルはどこ?
クドカンの作品はパンチが効いていてリズミカルなのが売りだと思う。そして、色使いが鮮やかでポップな演出がされている。この作品も時代背景に合わないくらいポップだ。弥次さんと喜多さんは、拝すれば全ての困難が昇華するお伊勢様を目指して“てめぇ探しの旅”に出発する。道中、リアルと幻覚が入り混じった独特の世界で繰り広げられる。鑑賞している者も、何が幻想で何が現実なのか分からなくなる時もしばしば。頭が困難する。また、この映画の見所は中村勘九郎・七之助親子の共演だ。今はなき勘九郎さんのアーサー王の姿にもご注目!なにかと注目のメガネ男子 井浦 新さんも出演されています。