ロボジーのあらすじ・作品解説
ロボジーは2012年に公開された日本の映画である。監督は、「ハッピーフライト」「ウォーターボーイズ」を手掛けた矢口史靖。主演は五十嵐信次郎で、往年のロック歌手ミッキー・カーチスがこの映画は新人として臨みたいという思いを込めてつけた芸名である。吉高由里子、濱田岳といった個性派実力者俳優たちが脇を固めている。 零細家電メーカーの木村電器の社員たちが二足方向のロボットの開発に成功する。社運をかけたロボット発表会の直前にロボットは壊れてしまい、窮地に立たされた社員たちが考えついたのは鈴木という老人にロボットの中に入ってもらってその場をしのぐということだった。ところが、鈴木の勝手な判断と動きにより木村電器の新型ロボットは世間の大注目を浴びることとなり、鈴木がロボットを演じ続けるという状況になってしまう。そこへ吉高由里子演じるロボットマニア女子大生などが絡んできて、笑いと涙が入り乱れながら展開していくハートフルコメディ作品である。
ロボジーの評価
ロボジーの感想
だめだめな人々がまんまと切り抜けちゃう面白さ
どこまでも王道なコメディを真摯に貫く2012年作品。矢口史晴監督の9作目に当たる本作も、矢口監督らしい、小難しいことは何も考えず、子どもも一緒に楽しめるドタバタ喜劇です。いつもの矢口作品同様、今作もとにかく何にも考えずに笑おう、笑いに行こう、というかんじで楽しみました。全ての映画作品を監督する際は脚本も手がけ、しかも多作な矢口監督だけれど、何より見る人をにっこりさせる心楽しい、どこまでも王道なコメディを真摯に貫く姿勢がすごいなあと思って見ています。人を笑わせるために、作り手も楽しみながらも、どんだけうんうん唸って、頭をひねり、脂汗流してやっているんだろう、という試行錯誤の手触りが体温のように感じられて、楽しく見ながらいつも応援したい気持ちにさせられます。第一、今の世の中でこんなあっけらかんとした朗らかな笑いを届けてくれる映画監督を大事にしないでいい訳がないです。近作は小説「神去なあなあ日常」...この感想を読む
もう少し笑える小ネタが多いとなおベター
矢口史靖監督らしさが爆発している作品。始めはとにかくワァーワァーやっていて、でも最後はしっかり感動作品に仕上げる手腕はホントに素晴らしいと思います。また、ミッキーカーチスさんこと五十嵐信次郎さんが、ダメダメおじいさんで腹立つけどどこな憎めないロボジー役に適任でしたね。完全に地なのかと思うほどナチュラルな演技だったと思います。また何気に良かったのがチャン・カワイさん。こんな人、社会にいるって感じでリアル感がありました。ナイスキャスティングだと思います。ただ欲を言えば、竹中直人さんの出方のような小ネタがもう少し多いとテンポが増してよりおもしろかったのではないかと思います。
理系女子ってなんかいいよね。
爺さんがロボットに入る、という設定。ありそうでなかったような気がします。大人しく言うことを聞いてくれればよかったのですが、もちろんそうもいきません。大きな話題になったニュー潮風を利用した、爺さんの孫たちとのふれあいに笑ってしまいました。サイン…(笑)そして吉高由里子がロボットオタクで、ニュー潮風にハマってるところにはハラハラしつつも楽しく見守りました。文系の私にとってロボット開発ってただただ大変そうでしかないのですが、本当にこのニュー潮風に人が入っていなくてこんな能力だったなら凄いロマン溢れることですもんね…!「人が入っていない」ということの証明方法も素晴らしかった。あの主題歌を聞くとテンションが上がります。地味なようでいて凄く楽しめてしまった作品です。