ミス・ポターのあらすじ・作品解説
「ミス・ポター」は2006年公開のイギリス映画である。 監督はクリス・ヌーナン、脚本はリチャード・モルトビー・jr、主人公ビアトリクス・ポターはレニー・セルヴィガー。 イギリスの女性文学作家、世界的にも有名な「ピーター・ラビット」の作者ビアトリクス・ポターの波乱に満ちた恋と半生を描く物語。 当時のイギリスの良家の子女としてのしきたりで学校にも行けず、幼いビアトリクスは小動物をスケッチして過ごしていた。そこで生まれたピーターラビットとその仲間のお話を作品として出版社に持ち込んでいたが、なかなか認められなかった。ある日ノーマン兄弟の経営するウォーン社から作品出版の話があり、初出版の作品「ピーターラビットのおはなし」がベストセラーとなる。出版社のノーマンからプロポーズを受けるビアトリクスだが、両親に反対され離れて暮らす間にノーマンは病気になってしまう。悲しみを乗り越え、その後湖水地方の土地を買い、農場を営み、作品を描き続けたポターの生涯を描いた作品。
ミス・ポターの評価
ミス・ポターの感想
一人の女性が愛し、守った自然。
世界中で愛される絵本、ピーター・ラビットの原作者であるビアトリクス・ポターの半生を描いた作品です。主人公のビアトリクスは、ロンドンで暮らす上流階級出身の32歳の独身女性。自作の絵本が出版されることになり、担当編集者と恋に落ちるが・・・湖水地方の豊かな自然の美しさが際立っています。ビアトリクスがどれだけこの地域の自然や動物たちを愛していたかが丁寧に描かれており、とても好感が持てました。また、当時のイギリスの階級社会の仕組みや状況なども詳しく説明されており、女性の社会的地位と結婚について考えさせる作品でもありました。所々出てくるピーターが可愛らしかったです!
湖水地方の美しさとピーターの可愛らしさに癒されます
『ピーター・ラビット』の作者であるベアトリクス・ポターの人生を描いた伝記映画ですが、むしろ、切ないラブロマンス映画の要素が強いかもしれません。結婚してよき妻になることが女性の幸せ(当たり前)と思われていた時代に、資産家の家に生まれながら絵本作家になりたがった変わり者の女性ポターと、出版社を営む実業家の家に生まれながら三男ということで厄介者扱いされていた男性が出会い、有名な『ピーター・ラビット』が出版されるのです。その過程で、2人は恋に落ちますが、身分の違いから、ポターの両親に反対されてしまいます。そして、頭を冷やすために湖水地方の別荘に行っている間に、彼は急な肺炎で亡くなってしまうのです。ポターはその後、湖水地方の自然を守るために、絵本の収益で土地を買い、そこで、幼馴染と再会し、やがて結婚します。ストーリーとしては、ありふれたラブロマンスで、それほど秀逸というわけではありません。しかし...この感想を読む
ピーターラビットは稼ぎ頭だ、英国の飯の種だ
英国に行った人なら、必ずこれをみやげ物に買う、定番の「ピーター、ラビット」の作者の伝記映画です。作者ベアトリクス・ポターと、版元のウォーナー兄妹の3人が生み出すヒット商品、ピーター・ラビット誕生の売り出し話ですが、英国で子供が生まれると、皆と言って良い程、誕生のプレゼントに、ピーター・ラビットの陶器か本をプレゼントします。ラビットのウサギはイースターにもシンボルとされているように、子孫繁栄の願いを持っています。資産家の家に生まれた女は、同じ程度の資産家や、もう少し上の資産家に嫁に行くしか道が無い時代です。ちやほやされて育つお嬢さんの、行く道は次のちやほやしてくれる旦那を探す道である。もしくは、家名の無い金持ちに結婚で、家名を帰る為に嫁に行くか、そんな時代に生まれた絵が好きな画家のお話です。親も女の子を持ったら、その子の相手を探すのが重要課題であった時代です。下層階級の子は、女中になるか、...この感想を読む