エンジェル・ダストのあらすじ・作品解説
山手線の車内で起こる連続殺人事件を追う女性捜査官をスタイリッシュに描いた、1994年に公開された日本のサスペンス映画。監督/脚本は「狂い咲きサンダーロード」「シャニダールの花」の石井聰亙。共同脚本はブリキの自発団(劇団)の生田萬。美術は「CURE」「回路」の丸尾知行。 東京の山手線内で発生した連続殺人事件の捜査にあたるプロファイラー須磨節子は、学生時代、容疑者となった阿久礼と同じ精神医学研究室に在籍していた恋人同士であった。が、後に破局し、同研究室のトモオと結婚している。阿久は精神医学において独自の哲学を持つ男で、心理療法を用いた新興宗教からの信者救出を仕事としていることからマインド・コントロールの疑いを抱くが…。 節子を「天使のわけまえ」「感染」の南果歩、阿久を「草迷宮」「レイン・フォール/雨の牙」の若松武、トモオを「NIGHT HEAD」「undo ”アンドゥー”」の豊川悦司が演じている。他に滝沢涼子、塩野谷正幸、遠藤等則、ユキオ・ヤマト、秋山仁、田口トモロヲなど。
エンジェル・ダストの評価
エンジェル・ダストの感想
不審な映像美と音声に操られる、サイコ・サスペンス。
1994年公開の映画ということは、すでに20年近く前の作品ということになる。にもかかわらず、その後の邦画の取り入れている手法、傾向をすでに表している作品。東京の都心部をとらえた美しい映像がザッピングのように流れ、登場人物のやりとりはどこかちぐはぐで、若松武演じる阿久礼は、セリフがほとんど聞き取れないような小声でしゃべっている。「ケイゾク」や「トリック」などに通じる、不条理を思わせる映像と音のかけあわせ、引き算的な演出に、直截的出ない恐怖をじわりと味わわせられる。ところで、トヨエツは両性具有という役所なのですが…それだけはちょっと無理かも、と思ってしまいました。。。南果歩とトヨエツが暮らす、息苦しいほど緑あふれる自宅さえ不気味に感じてしまう。今見てもおもしろい、サイコ・サスペンスの小品です。