嫌われ松子の一生の感想一覧
映画「嫌われ松子の一生」についての感想が14件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
人生を生き抜くことに意味があるということを教えてくれた作品
松子が亡くなるまでの濃い人生を描いた作品”嫌われ松子の一生”はタイトルを見たときどんな人生なのかととても気になりました。また松子とはどのような女性なのかと、タイトルを見た段階で不思議と疑問が浮かび上がり、作品を早く見たいという気持ちにさせられました。元々小説が原作ということは作品を見た後に知りました。小説はあまり読まないので全然知りませんでしま。友人が、小説で読んだと言った時は、先をこされた、と思いました。主人公の松子を中谷美紀が演じとても話題になりましたが、その期待を裏切ることなく素晴らしい演技を見せてくれたと思います。松子が53歳で亡くなるまでの人生は非常に濃くて忘れがたいものでした。子供に教える立場である中学校の教師でしたが、その時に起きた事件後彼女の人生は少しずつ崩れ始めました。人は、ある特定の事がきっかけとなりついさっきまでしていた生活が一気に崩れてしまう時があります。崩れ始め...この感想を読む
人の顔色を伺ってしまうかわいそうな女の子の一生を描いた作品。
興味本意で見た作品でしたが、最後には夢中になって見てしまった作品でした。中谷美紀の演じる「松子」の一生を描いている作品で、最終的には不良グループに殺害されてしまうのですが、かわいそうと思ってしまう作品でした。なぜ「嫌われ松子」なのか?ことは幼少期にまでさかのぼり、自分の父親を笑わすために変顔をして顔色を伺う日々をすごしていました。時はたち、やがていろいろな男性と恋に落ち、嫌われないようにと顔色を伺うのですが、ことごとく失敗してしまう様は「またかよ!」とツッコミを入れてしまいたくなります。映像の華やかさと間に入るミュージカル風の歌があることにより、最後まで楽しめる作品だと思いました。
不幸な話なのに、良い話
作品の松子に同情してしまうほど、残念な松子だけどどうしてか笑ってしまう。人の不幸を笑っていいと言われているかのような作品。また、不器用で嫌われ者の女を中谷美紀さんがやっているから、なおさらいい。普通に話だけを聞けば悲しく苦しく暗い人生なのに、スッキリとした、悔いなんてなさそうな人生。一生懸命生きている姿が共感を呼んでいるような気がします。シンデレラストーリーでもないし、報われもしないし、裏切られてばかりだけど、松子は恨まないし、逆に愛してしまう。また、ミュージカル的な演出は好み。だから、余計にいい作品に思えてしまう。こんな友達いたら、、、救ってあげれるかなぁ。無理かな。
彼女は本当の居場所を見つけた
山田宗樹の原作を中島哲也監督が映画実写化。中西哲也監督は『下妻物語』や『パコと魔法の絵本』で知られ、どの作品も極彩色を使った印象的なイメージがあります。そんな本作はまさにミュージカルを上手く取り入れた作品となっている。あくまで主人公の松子は不運な人生を送っているが、当人は前向きに明るく生きていく。難しい役である松子を中谷美紀が演じ、基本的に出演者を怒鳴り散らす中島哲也監督の演出に最後まで耐えました。そのおかげで松子というキャラクターを生き生きとさせ、不幸な人生ながらも、それを微塵にも感じさせない明るさは作品の色とシンクロしていました。どんな事があっても強く生きる松子だけど、終盤で見せた姿はさすがに心が痛かった。しかし、もう一度輝きを取り戻そうと立ち上がった矢先の出来事は衝撃的でした。他人から見たら不本意な最期に感じるだろうけど、松子自身はようやく自分が帰るべき場所に帰った時の表情は今で...この感想を読む
悲しい物語なのに、不思議な爽快感。
壮絶な人生を描いた作品なのに、なぜか不思議な爽快感があります。それは、結果として悲しい最後を迎えてしまったけれど、松子がただ愛にひたむきで、人生に一生懸命だったからではないでしょうか。物語の進行役でもある松子の甥が、初めはあまり興味がなかったのに徐々に松子の人生に惹き込まれていく様子が、上手く視聴者の心情とリンクしていて良かったです。また、女優の中谷美紀さんのコミカルな演技、突然始まるミュージカルシーンなどの演出も楽しかったです。普通ならただの不幸な女性の一生で終わってしまう物語を、壮大なエンターテイメントとして面白おかしく描いていました。とても見応えのある作品です。
愛され人生
中谷美紀が苦しみぬいて取り組んだ本作。中島監督、相当怖かったみたいです。でも、出来上がりは大変いい具合にファンタジックかつポップ。愛に仕事にといろいろあったヒロインの一生を、華やかな画を目一杯楽しんで体感することができる映画です。それにしてもつくづく思うのが「人に歴史あり」だな、ということです。松子ほど突飛な人生じゃなくても、誰にでもたくさんの出来事が細かく散りばめられてる毎日で、なにしろ本人の人生は本人にしか体験できないっていうのも、また何とも。フィクションでも他人の人生を体験できてしまえる、映画っていう娯楽が人間に与えられてるのには沢山の意味があると勝手に思っています。
大衆文化としての嫌われ松子の一生
原作との違いは沢山あるのですが多くの人がみる為に相応しい削り方です。原作もこの映画の様に明るく前向きに描かれているのですがやはり重い雰囲気になってしまいがちな部分もあったので原作とのちがいは多くありますが素晴らしい脚本だと思います。とにかく不幸が襲いまくってくる松子の人生。人生は何度でもやり直しがきくという言葉がありますがそんな事松子には通用しないんです。松子が選ぶ方に不幸がおまけとしてついてきてしまう。その内容とはうってかわってCGでコミカルタッチに描かれた映像に心が弾みました。ストーリーの流れもはやく次々出てくる豪華なキャストにも驚かされました。
見ていて前向きになれる
こんなに暗い人生をポップに明るく描いている映画を私は知らない。見る人を惹きつけると言うのはまさにこの事を言う。私自身ミュージカルというものがすごく好きなことも、この映画が好きな理由の一つである。木村カエラやBONNIE PINKなどの面々を迎え入れた本作品は、素晴らしい出来栄えである。思わず口ずさんでしまう童謡もこの映画のポップで明るく切ない雰囲気にぴったりである。勘当・不倫・風俗・殺人・教え子との恋愛・精神病・そして最後には子どもに遊び半分で殺されてしまう。彼女の人生は本当に幸せと言えたのだろうか…拝見してから、このことばかり頭から離れない。幸せを見つけられないと感じる全ての人に見ていただきたい見終わった後、何かがきっと見つかるはずです。
理想と現実
人は夢を見れば見る程不幸になっていくのかな?って松子を見ていたら思いました。とにかく速いテンポでどんどん不幸に突進していく様な主人公同情する場面が多いけれど映像がPOPな感じで人の不幸を食い物にするってんじゃないけれど笑えてきてしまう「本当にどうしようもない奴だなー」なんて身近な存在に感じてきてしまうから自分あつかましい!とか思ったけどそのぐらいこの映画の世界観に引き込まれたのだと思うと良い風にしておこうかな?みたいな映画全部考え様によってはもっと不幸になったかもしれないんだからそれぐらいの不幸で辞めるハメになって良かったんじゃない?ってスクリーンの松子に言ってあげたかった
人生はそう簡単に終わらない
嫌われ者のレッテルを貼られたまま死んでしまった松子。最後の住まいの後片付けを任された甥の笙によって、その一生が明らかにされます。中学教師時代のとある事件から、ちょっとしたボタンのかけ違いによって坂道を転がり落ちるように転落人生を歩むことになる彼女。ろくでもない男にばかり引き寄せらせ、風俗に身をやつし、果ては殺人。そもそも、彼女の幸福追求の仕方は間違っている。それなのに、なぜか共感し、応援してしまうのです。ターニングポイントのたびに「私の人生は終わったと思いました」と言いながら、それでもたくましく立ち上がり、そしてまたあらぬ方向に突き進んでいく彼女の姿に、救われる思いがするのはきっと私だけではないはず。
マジックショーのような華やかさ
転落人生もここまで演出するとブラボーと言いたくなる。出来事だけ並べると暗くなってしまうような、絵にかいたような転落人生。けれど中島監督の鮮やかな色彩、歌、カメラワーク、脚本によってマジックショーのような華やかな映画になった。役者さんもデフォルメし過ぎて、一瞬の演出だったら誰だか分からないこともあるほど。結構しっかり見ていないと、主題歌を歌っているBONNIE PINKさんの出演シーンなどは見逃してしまう。転落人生ではあったけれど、松子(中谷美紀)はきっと幸せだった。そう思ってしまうようなラストシーンに少しだけ救われてジーンと感じることができる。
好き嫌いは分かれるんじゃないでしょうか?
私の大好きな『下妻物語』の中島哲也監督が、山田宗樹の同名ベストセラー小説を映画化した異色のシンデレラストーリーです♪壮絶で不幸な日々を過ごしながらもハッピーな人生を目指して奮闘する、川尻松子の波乱万丈な生き様を描いています!!夢の中でみているような不思議な感覚に陥ります。あまり好みの作りではないのです><人には何があるか分からない。堕落した人生を歩む事になっても抜け出すのは自分の力でしかないんですよね・・・。んー周りの人間関係を見ている方が波乱万丈で勉強させられてしまうとおもうのはダメですよね。あまり大きな印象を与えてくれない映画でした。
笑って踊って歌い上げる、ザ・喜劇な悲劇
一途でひたむきなはずの主人公が、どんどん転落人生をたどっていくのを、ミュージカル風に、デフォルメのつよいCGをふんだんに使用した映像でキラキラとテンポよく綴っていく、謎の物語。どん底もどん底な典型的な不幸につき進んでいく、中谷美紀のプラスチックな美貌がかえって憐れ。次から次へとあらわれるダメ男のバリエーションが豊富(笑)で、思わず笑ってしまう。出演時間数分と思われるクドカンのダメ男ぶりもぜひチェックしてほしい。悲劇なはずなのに喜劇的に見せ、でもやっぱりさびしいんじゃないか!とつきつけてくる演出は、…どうかな、刺さる人と刺さらない人がいるのでは。極度に戯画化されたカラフルな映像も、楽しいと言えば楽しいけれど、そういうもんと思うには、多少の慣れは必要かもしれない。
映像、音楽、ストーリー!とにかく全部注目☆
ミュージカルたっちに音楽とストーリーが進んでいくので、とてもテンポよく見られます!また中島哲也監督独特の映像美はとにかく圧巻です!! はじめ“嫌われ松子”というタイトルだったので、本当に嫌われた女性の話なのかな。。とそのまま思っていたのですが笑、本当は沢山の人に愛を与え、尽くし、自分はちょっと損をしてしまった所もあるかもしれないけれど、全力で人生を生きた、素敵な女性のお話だな。。と思いました。松子の人生の最後は・・本当にあっけなく、悲しいもので。。見ていて『えー!!!!』と叫んでしまいそうでしたが。。。天国へと召されていくシーンはそれまでの松子のお父さんへの思いや、妹への思い。そして松子が頑張って人生を歩んできた事が走馬灯のように思い出され涙が止まりません! この映画で主演女優賞を取られた中谷美紀さんの演技も本当に素晴らしく、脇役の方も豪華キャストばかり!! とにかく見て損は無い映画です!!この感想を読む