作戦室で戦争は困る!
マーキン・マフリー大統領
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博士の異常な愛情は、1964年1月30日にスタンリー・キューブリック監督によって公開されたアメリカ映画である。日本では1964年10月6日に公開された。 また本来のタイトルは、または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか、であるが、邦題では略称で呼ばれることが多い。第30回ニューヨーク映画批評家協会賞監督賞、英国アカデミー賞の各部門を総なめし、第37回アカデミー賞作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞にはノミネートされ、アメリカ喜劇映画ベスト100では第3位を受賞した。 冷戦時代を舞台とし、核戦争のせいで人類滅亡の危機に至る様子をシニカルに描いたコメディ作品である。政府や軍の上層部がこの作品の主な登場人物で、彼らは利己的欲物として描かれ、核戦争の恐怖を皮肉をこめて描かれた作品である。 主役であるストレンジラヴ博士をピーター・セラーズが演じ、彼は主役の他に2役演じ1人3役演じた。 日本ではDVDが発売されたが2015年時点で廃盤となっており、ブルーレイのみが発売されている。
ピンクパンサーシリーズでピーターセラーズが大好きになり、友人の勧めで観てみました。冷戦時代の核爆弾を中心としたハチャメチャな内容のモノクロ映画です。ピーターセラーズが一人三役を見事に演じていてとても笑えます。特にDrストレンジラブの役は最高です。ナチスの科学者時代の癖が抜けず、勝手に上がる右手を左手で抑えるシーンは爆笑です。キューブリック作品だけあって哲学的で難しそうな雰囲気もありますが、深く考えずにコメディ映画としても楽しめると思います。15年程前にVHSで観た作品なので久しぶりに観たいと思ってますがレンタル店ではお目にかかれないみたいで残念です。
キューブリックの厭世的な皮肉がもっとも鋭い辛辣さを見せた作品と言えるだろう。東西冷戦の核兵器製造合戦の異常さを、「Doomsday Machine」という相手の攻撃を受けると、すべての大都市に核弾頭が発射される最終兵器を仮定することで見事に描き出している。作品が一貫して皮肉であるが、意味に満ちたイロニーに終わるのではなく、強烈なイメージに満ちている。酔ったソ連の総書記に子供をたしなめるような口調で話す米大統領、ロデオでもやってるカーボーイみたいな格好で核弾頭ともに落ちていく兵士、そして何よりもラストのストレンジラブ博士が立ち上がり『Mein Führer, I can walk!!』と叫ぶシーンは強烈に印象に残っている。
スタンリー・キューブリック監督の初期の作品です。その奇抜な作品名と作品の雰囲気がとても気を引きます。スタンリー・キューブリックの映画監督の地位を確立したヒット作ではあるのですが、すでにこの頃からスタンリー・キューブリックらしいシニカルで、奇抜で、テーマ性をもった作品になっています。話は冷戦下の狂気的に人間を次々に描いていきますが、まず空軍基地の知れが狂ってソ連に独断で核攻撃を仕掛けます。そんな事をする人間はいないとおもいますが、たしかに一部の狂った人間が各をもってしまったらあり得ないことでもありません。最後はストレンジラブ博士の発案で核汚染された地上を見捨てて権力者だけが地下の核シェルターに逃げ込むという話で終わります。なんともシニカルです。
マーキン・マフリー大統領
作戦室内で取っ組み合いを始めたタージドソン将軍とサデスキーソ連大使に向かってマフリー大統領が言うセリフ。 核戦争の危機、世界滅亡の危機に瀕しており、主義思想はこの際忘れて一致団結してその対策を練る時だというのに一方は反共主義に固執し、もう一方はスパイ活動に熱心な有様を揶揄したセリフでもある。